2016 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14J04693
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松尾 拓紀 東京大学, 工学系研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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Keywords | 強誘電体 / 光起電力 / 薄膜 / ドメイン構造 / ドメイン壁 / バンド構造 / ドーピング / 欠陥準位 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度はまず,BiFeO3(BFO)エピタキシャル薄膜における,バルク光起電力(BPV)効果とドメイン壁光起電力(DW-PV)効果の定量評価に着手した.製膜はPLD法により行ない,異なる方位に微傾斜を有するSrTiO3 (STO)(001)単結晶基板を用いることで,シングルドメイン(SD)とマルチドメイン(MD)構造のBFO薄膜を作製した. 光照射下電流密度-電圧特性評価の結果,光子エネルギーhν = 3.1 eVにおいて,BFO(SD)は短絡電流密度Jsc = 17 μA/cm2,開放電圧Voc = 4.2 Vを示したのに対し,BFO(MD)はJsc = 180 μA/cm2,開放電圧Voc=7.7 Vを発現し,マルチドメイン化によって光応答が増大することが示された.さらに,Jscの偏光依存性を定量的に解析した結果,MD試料の光応答はBPV効果から予想される光応答を大きく上回ることが明らかになった.以上のように本研究では,BFOのドメイン壁においてBPVを凌駕する光起電力が発現することを定量的に実証した. さらに,MnドーピングによるBFOの可視光下光起電力効果の増強に取り組んだ.Mn 5 %-doped BFO(SD)薄膜とBFO(SD)薄膜の光起電力特性の波長依存性を調査し,hνがバンドギャップ幅(Eg)よりも小さい長波長における光応答が,Mnドープによって大幅に増強されることを明らかにした. 実験および密度汎関数理論計算結果から,Mnドーピングによりバンドギャップ内に欠陥準位が形成され,この準位を介したキャリア励起が,hν < Eg における光起電力増強の起源であることを明らかにした. 本研究により,ドメイン構造制御およびバンド構造制御に基づいた,可視光下における強誘電体PV効果増強に向けた材料設計指針が示された.
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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