2014 Fiscal Year Annual Research Report
コオロギの概日時計機構におけるエピジェネティック制御
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14J04731
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
濱田 良真 岡山大学, 自然科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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Keywords | 概日リズム / 時計遺伝子 / エピジェネティクス / ヒストンH3K27 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、フタホシコオロギが昼行性から夜行性に切り替わるスイッチのメカニズム、概日リズムの光周反応の維持、タンボコオロギの光周性について二種類のコオロギを用いてエピジェネティックな遺伝子発現制御を中心に解析を行った。 研究計画に従い、フタホシコオロギにおいて、野生型の終齢幼虫または成虫初期にエピジェネティック因子E(z)のRNAiを行い、遺伝子発現の抑制および行動リズムの発現を検証した。野生型では約4日で昼行性から夜行性への位相シフトが完了するが、E(z)のRNAi個体では約8日かかり、2倍ほど長期化することを明らかにした。また成虫初期へのRNAi実験で与える光周期条件(明暗: 12h:12h (短日), 20h:4h (長日))を変え恒暗条件下で自由継続リズム解析すると、短日条件下では野生型とRNAi個体ではリズム変調は認められなかったが、長日条件下において、野生型は短い暗期に同調し活動期が集中するのに対し、E(z)のRNAi個体は暗期の長さには同調せず、まるで短日条件下のような長期の活動期を継続した。これは位相シフトや光周期変動による体内時計のリセットを制御している概日時計機構がエピジェネティックに制御されているためであると考えられる。現在、これらの条件下における時計遺伝子の発現解析を行っている段階である。 タンボコオロギにおいては、エピジェネティック因子(E(z), Utx, nejire,Rpd3, DNMT3, TET)の遺伝子断片をクローニングした。成虫の卵巣で二本鎖RNA処理を行い、遺伝子発現の変化や活動リズムの光周期依存的な変化を観察する計画であったが、RNAiを行ったE(z), nejire, Rpd3は発生段階で致死であったため、光周反応が決定する2齢初期(小型で弱く、RNAiが困難)でノックダウンする方法を検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「研究目的:概日リズム光周反応のエピジェネティック制御」の解明のため、遺伝子のクローニングを行った。フタホシコオロギではE(z),Utxの全長を取得し、タンボコオロギにおいても近縁種であるフタホシコオロギの配列を元にクローニングすることに成功した。また二本鎖RNA処理することで光周期変化応答にE(z)が必要であることも明らかに出来た。その際、時計遺伝子の発現を介して同調している結果も一部得られている。以上の結果から、研究課題達成にむけておおむね順調であるとした。
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Strategy for Future Research Activity |
フタホシコオロギにおいては、活動レベルの被検数がまだ論文にできる数ではないので現在試行している。タンボコオロギにおいては母親の卵巣に二本鎖RNAを注入する元来の方法では、正常に胚発生できず致死に至っている。そのため、光周測時機構が働いている2齢幼虫において遺伝子をノックダウン、ノックアウトする方法を検討中である。二本鎖RNAの注入針を細くする、注入する液量と濃度の条件を検討する、CRISPR/Cas9システムを導入するなどを試行中である。
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Research Products
(4 results)