2016 Fiscal Year Annual Research Report
網羅的スクリーニングによる、動原体の安定性を保証する分子機能ネットワークの解明
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14J05063
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
川上 慶 大阪大学, 生命機能研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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Keywords | 動原体 / セントロメア / 分裂酵母 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、分裂酵母をモデル生物として用いて、真核生物の染色体上で動原体の確立を決定づける因子(動原体確立因子)を同定することを目的としている。平成27年度までに、LacI-LacO系を用いた動原体確立因子の網羅的探索を行った。LacIタンパク質とLacOリピートの間の結合を利用し、分裂酵母における動原体タンパク質をLacIタンパク質と融合させたplasmidを作成し、染色体上のLacOリピート上に結合させ、この状態で内在性のセントロメアを人工的に破壊することで、LacOリピート付近に動原体の新規形成を引き起こす動原体確立因子を同定した。興味深いことに、得られた因子は酵母からヒトまで幅広く保存されたDNA結合性のタンパク質であった。この因子の破壊株は致死であることから、生育に必須の重要な機能があると考えられる。平成28年度は、平成27年度中に同定したセントロメアの新規確立を決定づける確立因子の機能を、より詳細に解析した。この因子を強制的に結合させた際に新規の動原体が形成されるのは、染色体の末端付近に存在するヘテロクロマチンに隣接した領域に限られた。また、この動原体タンパク質のDNA結合ドメインと考えられている部位を人為的に欠損させた変異タンパク質を、GFP-LacIに融合しLacOリピートに結合させ、内在性のセントロメアを破壊させたところ、全長の際に観察された動原体の形成効率が、顕著に減少した。この結果は、このDNA結合ドメインが、ただ単にこの因子のクロマチンへのリクルートに寄与するだけでなく、セントロメアを新規に形成する過程において、新たな役割を持つことを示唆していた。これらの結果から、動原体確立タンパク質とcisのクロマチン状態が協調して新規に動原体を形成すると考えられる。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] Inner nuclear membrane protein Lem2 augments heterochromatin formation in response to nutritional conditions2016
Author(s)
Yoshie Tange, Yuji Chikashige, Shinya Takahata, Kei Kawakami, Masato Higashi, Chie Mori, Tomoko Kojidani, Yasuhiro Hirano, Haruhiko Asakawa, Yota Murakami, Tokuko Haraguchi and Yasushi Hiraoka
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Journal Title
Genes to Cells
Volume: 21
Pages: 812-832
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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