2015 Fiscal Year Annual Research Report
高次までの合成球面波を用いた小型高利得アンテナの基礎研究
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14J05138
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| Research Institution | Kyoto University |
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Principal Investigator |
松室 尭之 京都大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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| Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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| Keywords | マイクロ波無線電力伝送 / 小型高利得アンテナ / 低漏洩マイクロ波ビーム / 合成球面波 / 誘電体共振器 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、小型高利得アンテナの研究を発展させた低漏洩マイクロ波ビームの効果的設計手法を確立した。本研究で提案した設計手法においては、アレーアンテナ素子の入力振幅に先立って真空中を伝搬するビーム電磁界を設計する。真空中を伝搬するビーム電磁界の設計には合成球面波を用いる。平面波の係数を用いて、ある最大次数までの球面波によってビーム電磁界を合成した場合、比較的大きなサイドローブが存在する。そこで本研究では、平面波の係数を調整することによってエネルギー閉じ込め性の高いビーム電磁界が合成可能であることを示した。また、調整係数が十分に大きい場合には、球面波合成ビームとガウシアンビームがほとんど一致することを明らかにした。アレーアンテナ素子の入力振幅に先立って真空中のビーム電磁界を設計する手法は、現在特許出願中である。さらに、これらの研究成果は、２件の学会発表の後、電子情報通信学会の和文論文誌Cに投稿した。
また、本年度から低漏洩ビームを実現するアンテナハードウェアの検討を始めた。回転方向のアンテナ素子を同相同振幅で可能なリング配列アレーおよび最小の共振電磁界を持つ球形誘電体共振器について基礎的な検討を行った。低漏洩マイクロ波ビームはビームの伝搬軸に対して回転対称な位相を持つ。そこで本研究では、低漏洩ビームを形成するアンテナ配列方式として、リング配列アレーを提案した。リング配列を用いることにより、位相と振幅の設計パラメータを大幅に低減することが出来る。さらに、相互結合の小さな素子アンテナとして、最小の共振電磁界を持つ球形誘電体共振器について検討した。今後は、これらのアンテナハードウェアに関する検討をさらに進め、論文投稿を目指す。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の研究によって、小型高利得アンテナの理論から発展した低漏洩マイクロ波ビームの設計手法を確立し、特許出願および論文投稿を行うことが出来た。
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| Strategy for Future Research Activity |
今後は、低漏洩ビームを形成するアンテナハードウェアについて詳細な検討を行い、誘電体共振器アレーアンテナを開発する予定である。誘電体共振器アレーアンテナは小型高利得アンテナの段階的な実現に向けた最低次モードの球面波のアプリケーションに対応する。
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[Presentation] マイクロ波による高効率無線電力伝送システムの小型試作モデル2015
Author(s)
松室尭之, 石川峻樹, 黄勇, 塚本優, 西村貴希, 後藤宏明, 蟻正悟史, 兒島清志朗, 平山啓太, 王策, 三谷友彦, 篠原真毅
Organizer
電子情報通信学会2015年ソサイエティ大会
Place of Presentation
宮城
Year and Date
2015-09-08 – 2015-09-11
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