2014 Fiscal Year Annual Research Report
高精度行動解析と流体力学モデルによるウミスズメ類の海中適応の研究
Project/Area Number |
14J05363
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Research Institution | The Graduate University for Advanced Studies |
Principal Investigator |
菊地 デイル万次郎 総合研究大学院大学, 複合科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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Keywords | バイオメカニクス / バイオロギング / ウミスズメ科 / 飛行 / 遊泳 |
Outline of Annual Research Achievements |
空気と水は密度が800倍異なるため、飛行と遊泳は力学的制約が異なる。それにもかかわらず、ウミスズメ科鳥類は翼を使い飛行と遊泳を両立している。ウミスズメ類が飛行と遊泳で羽ばたき運動を変えることはよく知られていたが、その違いが推進にどのように貢献しているのか明らかにされていなかった。そこでウミスズメ科ウトウに小型記録計を装着し、飛行と遊泳時の行動データを取得した。またビデオ映像から翼の動きを解析した。解析により得られた飛行・遊泳速度、羽ばたき頻度、翼の振り幅から、推進効率の指標となる物理量(ストローハル数)を計算した。その結果、ウトウは飛行と遊泳で推進効率が高くなるストローハル数の範囲で羽ばたいており、飛行専門と遊泳専門の動物とも同じ範囲であることがわかった。この研究成果を論文としてまとめ、国際学術誌(Journal of Avian Biology)に発表した。 また、ウトウに慣性ロガーを装着することで、飛行と遊泳時の羽ばたきによる力の発生パターンを計測した。力の発生パターンを飛行と遊泳で比べることで、羽ばたきの特徴を調べた。この成果を国際鳥学会(26th International Ornithological Congress)と極域科学シンポジウム(The 5th Symposium on Polar Science)で発表した。 現在、アデリーペンギンで取得した行動データと比較し、ウミスズメ類の遊泳の特徴を調べている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究成果を論文としてまとめ、国際誌(Journal of Avian Biology)に発表できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
研究成果を論文としてまとめ、国際誌に投稿予定である。 また、飛行と遊泳への体重の影響を調べるため、米国アラスカ州セント・ジョージ島でウミスズメ科最大種ハシブトウミガラスで行動データを取得する計画である。これまでに取得したデータと組み合わせ、研究をまとめる。
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