2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14J06148
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
藤川 麻由 大阪大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2015-03-31
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Keywords | 活性酸素 / 転写因子 / パルスラジオリシス法 / 鉄硫黄クラスター / 一酸化窒素 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、外部環境に応答する転写因子SoxRの機能制御機構の解明を目指したものである。SoxRはスーパーオキサイドや一酸化窒素に応答して転写活性をすることが報告されていたが、その詳細な機構は不明であった。先行研究で、パルスラジオリシス法を用いた実験により、スーパーオキサイドがSoxRの鉄硫黄クラスターと直接反応して活性を持つ酸化型となることが示された。また、紫外共鳴ラマン法によって酸化型と還元型ではその構造は大きく変化することが示唆された。 本研究の成果は二つある。一つ目は、パルスラジオリシス法を用いた実験によって、一酸化窒素がSoxRの鉄硫黄クラスターと段階的に反応することが明らかになったことである。鉄硫黄クラスターと一酸化窒素が反応してジニトロシル鉄錯体となることで活性を持つタンパクが複数報告されており、SoxRはその一つである。亜硝酸イオンを含む水溶液に電子ビームを照射すると一酸化窒素が生成し、標的分子との反応を直接観察できる。今回、一酸化窒素とSoxRとの反応を検討したところ、一酸化窒素がSoxRの鉄硫黄クラスターと段階的に反応する過程が観察された。二つ目は、蛍光プローブ法を用いて、活性型と非活性型との構造変化をとらえたことである。相補鎖との水素結合や、隣接基とのスタックで消光する蛍光プローブをSoxRのプロモーターDNA二重鎖に埋め込み、活性型と非活性型とで蛍光スペクトル測定をしたところ、プロモーターDNAの中心に蛍光プローブをうめこんだものにおいて、大きな変化があらわれた。その他の部位では変化は小さいものであったことから、活性型と非活性型に結合したDNAの構造変化は中心部分でおこる局所的なものであることが明らかになった。 本研究結果は環境応答型の転写因子における応答機構解明の一助となるものと考えられる。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)