2014 Fiscal Year Annual Research Report
滲出液タンパク質の創面分布に基づく新規褥瘡アセスメントツールの開発
Project/Area Number |
14J06272
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
北村 言 東京大学, 医学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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Keywords | 褥瘡 / アセスメント / 滲出液 |
Outline of Annual Research Achievements |
代表的な慢性創傷のひとつである褥瘡の早期治癒を図るためには、正確なアセスメントに基づく治療計画・看護計画の策定が重要である。私たちの研究室ではこれまで、誰もが正確に使えるアセスメントツールの開発に取り組んできた。本研究では、創面の生理的状態を客観的かつ非侵襲的にアセスメントする指標として創面のタンパク質分布パターンに着目し、創治癒過程におけるペルオキシダーゼの生物学的意義の解明を目的とした。雄性SDラット(6か月齢)の背部皮膚に剪刀にて直径2.5cmの全層欠損創を作製した。創閉鎖まで連日、創洗浄とドレッシング交換を実施し、その際、創面ブロッティング法にて創面のタンパク質を採取し、タンパク質分布解析を行った。創部へ用いるドレッシング材の影響が想定していたよりも大きく、その影響を取り除くため使用するドレッシング材の検討実験を要した。5種類のドレッシング材およびそれらの組合せから、本研究におけるラット皮膚創部に適したドレッシング材を選択した。皮膚切除創におけるペルオキシダーゼ分布パターンを経時的に観察することで、創治癒過程に伴って規則的な変化を示すことが明らかとなった。ペルオキシダーゼ活性に影響を与える要因として考えられる加齢、糖尿病について考慮するため、6か月齢ラットの他に8週齢および糖尿病誘発ラットにおいても同様の実験を実施した結果、分布パターンに違いがみられた。さらに、分布パターンモデル作製のため、創部へ処置(細菌投与、化学薬品塗布、結紮)を施し創面タンパク質分布パターンを変化させ、処置後の創部組織について組織学的解析を実施しているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
創面のペルオキシダーゼ分布パターンへのドレッシング材の影響が大きく、ドレッシング材選択のための追加実験を必要としたため。
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Strategy for Future Research Activity |
創面ブロッティング法によるタンパク質分布解析と組織学的解析にてペルオキシダーゼの生物学的意義を明らかにした上で、その結果に基づいた新規褥瘡アセスメントツールを開発する。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Visualization of tumor necrosis factor-α distributions within pressure ulcer tissue using the wound blotting method: a case report and discussion2014
Author(s)
Kitamura A, Nakagami G, Yoshida M, Noguchi H, Nishijima Y, Minematsu T, Naito A, Sugawara J, Shibayama H, Takahashi K, Hakuta A, Umemoto J, Terada N, Segawa R, Mori T, Sanada H
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Journal Title
WOUNDS
Volume: 26
Pages: 323-329
Peer Reviewed
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