2014 Fiscal Year Annual Research Report
TORC1シグナル伝達経路を介したゼブラフィッシュ尾びれ再生メカニズムの解明
Project/Area Number |
14J06771
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
廣瀬 健太朗 広島大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
|
Keywords | 再生 / ゼブラフィッシュ / TORC1 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はゼブラフィッシュ尾びれ再生過程におけるTarget of rapamycin complex 1(TORC1)経路の機能を明らかにすることが目標である。申請者は採用期間前に、TORC1の活性化の指標であるp-S6Kのシグナルが尾びれ再生過程で観察されること、またTORC1の阻害剤であるrapamycinを尾びれ再生過程のゼブラフィッシュに暴露したところ明らかな再生の阻害が確認できていたことから、TORC1が尾びれ再生に必須であることまでは明らかにしていた。申請者は、昨年度の研究でさらなる解析を進めた結果、以下の成果を得た。 (1)TORC1の活性を制御する外部シグナル受容体の特定 インシュリン様成長因子1受容体 (IGFR) 及びホスファチジルイノシトール3キナーゼ (PI3K),WntがそれぞれTORC1の活性化に関与していることが予測できた。 (2)TORC1が制御する再生芽の増殖や分化に必要な遺伝子の特定 TORC1は再生初期過程においては細胞増殖、再生芽形成を制御し、再生中期過程においては細胞増殖・細胞生存・骨芽細胞の分化を制御していることを明らかにした。 ここまでの研究成果をまとめ、2014年12月にBMC Developmental Biology誌に論文発表を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究はゼブラフィッシュ尾びれ再生過程におけるTarget of rapamycin complex 1(TORC1)経路の機能を明らかにすることが目標である。申請者は、採用期間の2年間で、下記の2つを解明することを目標として設定していた。 (1)TORC1の活性を制御する外部シグナル受容体の特定 (2)TORC1が制御する再生芽の増殖や分化に必要な遺伝子の特定 (1)に関して、Wnt及びIGF-PI3K経路がTORC1を制御することを明らかにした為、目標の大部分をクリアした。 (2)に関して、この解析を進める為に必要な再生過程におけるTORC1の詳細な役割を明らかにした。この結果をもとに更なる解析を進めることで目標に達成することができるだろう。 ここまでの結果は、申請書に記載した本年度の計画以上の成果を得ることができている。また、ここまでの研究成果をまとめ、2014年12月にBMC Developmental Biology誌に論文発表を行った。
|
Strategy for Future Research Activity |
以下が本研究で明らかにする目標である。 (1)TORC1の活性を制御する外部シグナル受容体の特定 (2)TORC1が制御する再生芽の増殖や分化に必要な遺伝子の特定 上記のように(1)の解析は概ね終了しているため、今後は(2)の解析を中心に研究を行う予定である。手法としては、これまでに明らかにしたTORC1の尾びれにおける機能から予測し、TORC1が尾びれ再生過程に制御する因子を探索し、その因子の再生過程における機能を解析することで、(2)の目標を達成することができるはずである。
|
Research Products
(3 results)