2014 Fiscal Year Annual Research Report
多機能性ペプチドテンプレートを用いた新規有機-無機ナノ複合体の構築
Project/Area Number |
14J06876
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
村井 一喜 名古屋工業大学, 大学院工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ミネラリゼーション / ペプチドテンプレート / 自己組織化 / 炭酸カルシウム |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、ペプチドによる尿素の加水分解に関する詳細な機構解明(研究課題①)および、ミネラリゼーションにより析出する炭酸カルシウムの結晶相やモルフォロジーにペプチド集合体表面上の各種官能基が与える影響(研究課題②)を明らかとする事を目的に研究を実施した。研究課題①では、これまで使用していたペプチドVHVEVSを基準として、種々のアミノ酸配列を有する合成ペプチド(VAVEVS, VHVAVSおよびVHVEVA)を新たに合成し、尿素に対する加水分解活性を評価することで、同反応に関与すると考えられるアミノ酸の官能基種の影響を明らかとした。このアミノ酸官能基種には、ヒスチジンとセリンよりなるペアが必須であり、どちらかのアミノ酸が失われたペプチド(VAVEVSおよびVHVEVA)において、尿素に対する加水分解活性は著しく低下する事を明らかとした。さらに反応温度を変化させる事で、ペプチドの二次構造をβ-シート(低温域)からランダムコイル構造(高温域)に変化させる事により、加水分解活性に大きく影響する事を見出した。 研究課題②では、析出する炭酸カルシウム結晶は、二つのテンプレート効果により成長が規制される事を明らかとした。1つ目は、ペプチドテンプレートの成長方向と炭酸カルシウム結晶の成長報告が一致する事での成長誘導である。また、ペプチドテンプレート上の各種官能基の空間配置とアラゴナイト相のカルシウム原子の位置関係より、2つ目の効果としては、有機/無機界面における選択的核形成である。 本研究により得られた成果は、これまでに無い生体模倣型触媒創成やミネラリゼーション法による新規機能性材料創生のための基礎的知見になると、考えられる。
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Research Progress Status |
本研究課題は平成26年度が最終年度のため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題は平成26年度が最終年度のため、記入しない。
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Research Products
(5 results)