2014 Fiscal Year Annual Research Report
次世代運航システムのためのデータ同化によるリアルタイム乱気流予測の研究開発
Project/Area Number |
14J07391
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
菊地 亮太 東北大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
|
Keywords | 航空安全 / 気象予測 / 乱気流 / 流体計算 / データ同化 / 低次元モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
マイクロスケール乱気流予測手法として、航空機搭載型ライダーで使用する流れ場推定技術に用いる手法の開発および構築が計画であった。ドップラーライダー計測データから機体が遭遇する気流ベクトルを推定する手法を検討し、突風応答軽減制御の入力として利用することを可能とする技術の開発を目的とする。まず、推定アルゴリズムを複数実装し、簡単な渦モデルを使用した数値実験に適用することで、予測性能の良い手法について検討を実施した。さらに、気象予測モデルにより乱気流時の解析を実施して、その計算空間中を航空機が疑似フライトすると仮定する数値実験を構築した。これにより、より実フライトに近い環境下での試験が可能となった。以上の数値実験を行うことで、予測精度およびリアルタイム性等を検討した上で、適切な予測アルゴリズムの構築ができた。 また次年度の計画であったメソスケール乱気流予測として、乱気流のポテンシャル予報と、次世代運航システムで利用が期待される観測データのデータ同化解析手法の構築および実証の準備を行った。本手法では航空機のフライトデータをリアルタイムに気象予測モデルと融合することで、乱気流を予測する手法である。本手法の手順として、まず通常の気象予測モデルによる気象予測を実施し予測データを取得する。その結果に対して、固有直交分解と呼ばれる統計的手法を適用することで、計算コストの低いモデルを構築する。航空機はフライトする際に気温や風速などのデータを逐次に取得している。その観測データを構築した低計算コストのモデルに取り込むことで、逐次に気象予測をアップデートする。これにより気象予測単独だけでは予測することのできなかった乱気流を予測することが可能となる。現状は、提案手法のさらなる検証を進めている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
1年目は、マイクロスケール予測手法の構築および検証が計画であった。こちらの構築は概ね予定通りに開発が完了した。以上より、当初の計画を順調に進めることができている。さらに、2年目に実施予定であったメソスケール予測手法の検討および開発に着手することができ、2年目以降の研究を効率的に進める上での準備を整えることができたため、当初の計画以上に進展していると判断した。
|
Strategy for Future Research Activity |
まず、マイクロスケール予測については、現状では数値実験のみであるため、実データを使った検討を進める予定である。これによって、実際に航空機に搭載する際の問題点および課題を洗い出し、トラブルシューティングを実施する。 また、メソスケール予測については、1年目に開発を行った手法を発展させる形で、研究を実施する。現状では航空機の実データによって乱気流が予測することができているが、複数ケースでの検証や、予測性能の詳細な評価には至っていない。2年目では、メソスケールの乱気流予測手法の実現に向けて、複数ケースに適用し、予測性能に関する詳細な評価を実施する。
|
Research Products
(2 results)