2014 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者における貧血と健康寿命の関連-食生活面からの検討-
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14J07424
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
横山 友里 東京農業大学, 農学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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Keywords | 高齢者 / 貧血 / 低栄養 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、高齢者の貧血と健康寿命の関連を検討するとともに、食生活面から高齢者の貧血予防策を明らかにすることを目的に、平成26年度は以下3つの研究課題を検討した。 【課題1】地域在住高齢者1620名を対象に、貧血と介護保険認定・死亡リスクとの関連を縦断的に検討した。その結果、貧血無群(No Anemia)に比べた貧血有群(Anemia)の新規要介護認定に対するハザード比(95%信頼区間)は、1.90 (1.32 -2.76)であった。同様に、死亡に対するハザード比は、1.55 (1.01 -2.38) であった。このことから、貧血は要介護認定および死亡のリスクファクターとなることが示唆された。 【課題2】地域在住高齢者の貧血を要因別(栄養性貧血・慢性炎症性貧血・原因不明の貧血)に分類し、貧血の要因を検討した。解析対象者550名のうち、113名(20.3%)に貧血がみられた。そのうち、栄養性貧血の割合は28名(24.8%)、栄養性以外の貧血では、慢性炎症性または腎性貧血が11名(9.7%)、原因不明の貧血が74名(65.5%)であった。【課題3】地域在住高齢者の貧血と食生活との横断的関連を検討した。その結果、食品摂取の多様性得点が高いほど、貧血ありのオッズ比が有意に低下した(p for trend=0.005)。このことから、多様な食品摂取は、高齢者の貧血予防につながることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
フィールドでのデータ収集および3つの研究課題の解析については、順調に進んでいる。さらに、得られた研究結果については国内および国際学会にて報告し、成果を残した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度の研究結果より、地域在住高齢者における貧血の要因の多くは原因不明であり、貧血の要因を十分に特定できなかった。今後は対象者数を増やすとともに測定項目を追加し、高齢者の貧血の要因をより詳細に検討していく。また、食生活面からの貧血予防策の検討については、本年度行った分析で横断的関連はみられたものの、縦断的関連および食生活の評価方法(食品摂取多様性得点)の妥当性について今後検討する必要がある。さらに、本年度未達成であった「国民健康栄養調査からみた貧血の年次推移と背景要因の探索」については、データセットの構築および解析を進めていく予定である。
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Research Products
(6 results)
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[Presentation] A 7-year prospective study of anemia and loss of active life in older Japanese2015
Author(s)
Yokoyama Y, Nishi M, Murayama H, Amano H, Taniguchi Y, Nofuji Y, Narita M, Matsuo E, Seino S, Kawano Y, Shinkai S
Organizer
12th Asian Congress of Nutrition
Place of Presentation
Yokohama (Japan)
Year and Date
2015-05-14 – 2015-05-17
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[Presentation] 地域在住高齢者における栄養素摂取量と筋量、通常歩行速度との関連2015
Author(s)
横山友里, 村山洋史, 西真理子, 谷口優, 天野秀紀, 野藤悠, 松尾恵理, 成田美紀, 清野諭,川野因, 新開省二
Organizer
日本栄養改善学会関東・甲信越支部会
Place of Presentation
国立健康・栄養研究所(東京)
Year and Date
2015-02-28
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[Presentation] 地域在住高齢者における余命及び健康余命に関する前向き研究(1)栄養指標との関連2014
Author(s)
横山友里, 村山洋史, 西真理子, 天野秀紀, 清野諭, 野藤悠, 谷口優, 松尾恵理, 成田美紀, 藤原佳典, 川野因, 新開省二
Organizer
第73回日本公衆衛生学会総会
Place of Presentation
栃木県総合文化センター(栃木)
Year and Date
2014-11-05 – 2014-11-07
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