2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14J07528
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
林 禎彰 東北大学, 大学院工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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Keywords | 複合磁性膜 / Fe-Coナノ粒子 / Fe-Pt / 電気泳動堆積法 / 電析法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、電気化学的手法による高性能ナノコンポジット磁石膜の実現を目的とし、磁性ナノ粒子の電気泳動堆積法(EPD法)と金属磁性膜の電析法(電気めっき)を組み合わせ、磁性ナノ粒子をナノメートルオーダーで内包した新規複合磁石膜の開発を行うものである。本年度は、以下の点について検討を行った。 1.金属磁性ナノ粒子の電気泳動堆積技術および電析膜との複合化に関する検討 熱分解法により合成したFe-Coナノ粒子(平均粒径:15 nm)をエタノール中に分散させ電気泳動堆積を行った。合成後のFe-Coナノ粒子は堆積基板への良好な堆積が確認されなかったが、Fe-Coナノ粒子をカチオン性表面修飾剤であるポリエチレンイミンにより表面修飾することで良好に堆積することを確認した。また、Fe-Coナノ粒子堆積膜とL10 Fe-Pt電析膜との複合化の検討を行った。作製した膜の構造解析から、L10 Fe-Ptマトリックス中にFe-Coナノ粒子が複合された複合構造を確認した。これにより、本研究で提案している電気化学的手法を用いて金属磁性ナノ粒子を内包した複合体が形成可能であることを実証した。 2.単分散ナノ粒子の3次元規則的堆積技術に関する検討 平均粒径300nm、40nmの単分散ポリスチレンナノ粒子を用いて検討を行った。平均粒径300nmのポリスチレンナノ粒子を用いた検討では、電気泳動堆積法による規則的な堆積構造を確認した。一方、平均粒径40nmのポリスチレンナノ粒子を用いた検討では、規則的な堆積構造を確認できなかった。これは、ポリスチレンナノ粒子の粒径分散が大きいためと考えられる。本研究で応用を考える平均粒径10nm程度の磁性ナノ粒子を用いて規則的な堆積構造を実現するためには、粒径分散がきわめて小さいものを用いる必要があると考えられ、そのような磁性ナノ粒子合成技術の確立が必要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
帯電性表面修飾剤を応用した金属磁性(Fe-Co)ナノ粒子の電気泳動堆積技術の確立、金属磁性(Fe-Co)ナノ粒子堆積膜と電析(L10 Fe-Pt)電析膜との複合化を達成したため、本研究はおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度、金属磁性ナノ粒子を内包した複合磁性膜を実現したが、膜中にFe-Coナノ粒子の凝集部が存在することや熱処理時の元素拡散の問題などから、膜の磁気特性は改善の余地が大きい状態である。今後は、作製プロセスや熱処理条件の最適化を行うことで上記の問題を改善し、磁気特性向上を目指し研究を推進する予定である。
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Research Products
(4 results)