2014 Fiscal Year Annual Research Report
小員環の特性を活用した生理活性物質及び機能性分子の合成
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14J07573
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
有地 法人 京都大学, 薬学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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Keywords | 小員環 |
Outline of Annual Research Achievements |
小員環を有するステロイド化合物の合成を行い、さらにビタミンD受容体転写活性化能とエストロゲン受容体α及びβの転写活性化能を、ルシフェラーゼレポーターアッセイによって評価した。その結果、ナチュラルリガンドであるカルシトリオールよりは弱いものの、スピロ三員環や四員環を導入した化合物が、ある程度のビタミンD受容体転写活性化能を持つことがわかった。また小員環を導入することで、ビタミンD受容体転写活性化能のefficacyの増大が見られた。この結果は、ビタミンD受容体のcoactivatorの結合を促進、あるいはcorepressorの解離を促進することで高いefficacyを示したと解釈できる。以上のように、剛直な配座を持つ小員環の導入によってefficacyの増大が見られ、当研究グループの方法で容易に構築可能な小員環による側鎖固定化が、生物活性分子の活性の増大に有効である可能性が示唆された。 また本研究過程で、パラジウム触媒を用いた縮環シクロブテンの環拡大反応を偶然見出した。反応機構を詳細に検討したところ、この反応は熱的電子環状反応によって一時的にのみ生成するcis,trans-シロキシジエン中間体を経由していることがわかった。この短寿命中間体は面性不斉を有しており、不斉記憶という興味深い現象を確認した。すなわち、原料のシクロブテンの不斉情報が短寿命中間体の面性不斉に保存され、生成物の中心性不斉に転写されることを見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究途中に偶然見つかったシクロブテンの新規反応について、詳細に調べたため。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究過程で、縮環シクロブテンの新規反応を発見した。この反応は、中間体が短寿命且つ面性不斉を持つという点で興味深く、有機合成化学だけでなく分子不斉化学の観点からも重要である。そのため、生成物への不斉転写について詳細に調べる。また当初計画していた小員環を有する分子プローブの合成も同時に進める。
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Research Products
(4 results)