2015 Fiscal Year Annual Research Report
成長期の銀河団銀河の内部構造から探る楕円銀河の成り立ち
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14J07659
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
林 将央 国立天文台, 光赤外研究部, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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Keywords | 銀河団 / 楕円銀河 / 銀河形成 / 銀河進化 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度の研究実績は、次の3つに分けられる。一つ目は、赤方偏移z~1.5の典型的な星形成銀河の星間電離ガスの物理状態を議論した研究である。昨年度投稿済みであった論文を、今年度はレフェリーからのコメントを基に改訂し、日本天文学会欧文研究報告から出版することができた。 二つ目は、z=2.53の原始銀河団領域をすばる望遠鏡の近赤外線多天体撮像分光装置と狭帯域フィルターを用いて追観測を行った。ハッブル宇宙望遠鏡の近赤外線カメラの撮像データと組み合わせることで、多波長の非常に深いデータを用いて、これまで調べられていなかったz=2.53の原始銀河団における小質量銀河の星形成活動を明らかにすることができた。その結果、3E+9太陽質量より質量が小さな星形成銀河は大質量銀河が示す星形成率ー星質量の主系列を外挿して見積もられる星形成率より優位に大きな星形成率を示すことが明らかになった。つまり、この原始銀河団の大質量銀河はすでに安定した進化段階に達して星形成率‐星質量の主系列にのっているのに対して、小質量銀河はまだ若く爆発的な星形成をしている段階であることが示唆される。 三つ目は、z=1.46の銀河団中心部に存在する13個の星形成銀河をアルマ望遠鏡のBand-7で観測し、個々の銀河からのダスト連続光を調べた。サブミリ波で観測することにより、銀河からのダスト連続光を捕らえることができ、ダスト吸収の影響を受けずに星形成率を見積もることが可能となる。5個の星形成銀河からダスト連続光が確実に検出され、それに加えて、観測視野内にターゲット銀河以外から2天体見つかった。検出したダスト放射はいずれもコンパクトな領域から放射されており、遠方銀河団の中心部に位置する星形成銀河において、爆発的な星形成により、バルジ成分が形成されている現場である可能性が考えられる。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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