2015 Fiscal Year Annual Research Report
16S rRNA置換変異に基づくリボソーム機能改変と大腸菌宿主改良
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14J07760
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佃 美雪 東京大学, 新領域創成科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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Keywords | リボソーム / 大腸菌 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、大腸菌の翻訳装置リボソームの改変による大腸菌宿主創成技術に関する。 遺伝子の発現過程は、転写、翻訳、たんぱく質フォールディングの3段階に分けられるが、中でも複雑な反応機構である翻訳に着目した。大腸菌のリボソームは、大小2つのサブユニットから構成された大変複雑なRNA-たんぱく質複合体である。この構造物の中心骨格は、16SリボソーマルRNAおよび23SリボソーマルRNAが担っている。16SリボソーマルRNAは、微生物の分子系統分類の指標として頻用させている通り、生物種固有の分子であると広く認識されてきた。しかし、当研究室では16SリボソーマルRNAの改変法を確立しており、私はその方法を用い大腸菌のリボソーム、ひいては宿主機能の改変を試みた。 昨年度は、16SリボソーマルRNAの改変により、大腸菌の異種遺伝子発現効率化や高温適応などを機能向上が観察された変異株の獲得に成功した。 本年は、リボソームの改変が及ぼす影響を明らかにするために、それらの優良大腸菌変異株の表現型観察を行った。具体的には、各変異株に対しBiologシステムを用い、90~の様々な試験(様々な炭素源、抗生物質、ストレスなど)を行った。その結果、大半の試験項目に関しては変異株間および野生株との比較においても大きな変化は認められなかったが、抗生物質の一種であるNalidixic acidやAztreonam、糖の一種であるD-Raffinoseなどにおいて優位な差が認められた。それゆえに、16SリボソーマルRNAの改変が、確かに大腸菌の表現型にまで影響しうることが明らかとなった。 しかし、この新知見の一方で、16SリボソーマルRNAの改変が及ぼす表現型変化の過程はまだ未知である。今後、トランスクリプトーム解析などの手法により、リボソーム改変のより詳細な影響が明らかになっていくことが期待される。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)