2015 Fiscal Year Annual Research Report
直接分光観測による褐色矮星および系外惑星の大気構造の統一的研究
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14J07824
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
空華 智子 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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Keywords | 褐色矮星 / 赤外線天文学 / 分光観測 / 大気 |
Outline of Annual Research Achievements |
単独で存在する褐色矮星および、周回天体(太陽系外ガス惑星、褐色矮星質量天体)の大気構造、進化の解明を目指している。今年度は、「1. 単独で存在する褐色矮星の研究」および、「2. 主星のまわりを周回している太陽系外ガス惑星および褐色矮星質量の天体の研究」の2本立てで研究を進めてきた。 単独で存在する褐色矮星の研究においては、特に、「(1-a)大気中のダストのサイズ分布」に着目し研究を行ってきた。褐色矮星の大気中には重元素の凝結物で形成されるダストが存在する。このダストは大気の温度分布や光学的特性に大きな影響を与え、特に比較的高温のL型矮星の近赤外線スペクトルにはその効果が顕著に現れる。これまで、大気モデルの中で取り扱うダストのサイズには、1つの値のみを適用してきた。今回、初めて、ダストサイズによるスペクトル形状への影響を調査した。その結果、あるダストサイズを超えると、スペクトルの形状が大きく変化することが確認された。各天体に対し、観測データとの比較から、大気中のダストの代表的なサイズを見積もり、そのダストサイズから背景の物理過程を考察した。現在、この成果を論文として執筆中である。国内外の研究会にてこれら研究成果を発表した。また、研究(1-a)に並行して「(1-b)大気モデル計算ツールの開発」も行ってきた。上記(1-a)の解析過程で、Mie 散乱を取り扱えるよう大気モデルを改良した。また、マルチコアの計算機を用いて24個の計算を同時に走らせる並列計算プログラムを開発し、1つのインプットファイルから自動的に200個以上のモデルを計算できる環境を構築した。 主星のまわりを周回している太陽系外ガス惑星および褐色矮星質量の天体の研究については、Subaru望遠鏡専用の面分光装置CHARISによる直接分光観測のサイエンス検討や、具体的な観測計画を検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
1. CHARISの開発の遅延により、周回天体の面分光観測を実現できていない。 2. 米国Gemini地上望遠鏡による、主星のまわりを周回している褐色矮星質量天体の面分光観測を計画していたが、観測申請が受理されなかったことで、CHARIS始動後の解析で必要な比較対象天体のデータの準備が難航している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、引き続き褐色矮星の大気モデルの改良を行いながら、褐色矮星の大気構造を解明していく、また、系外巨大ガス惑星の直接分光観測を実施し、褐色矮星とガス惑星との比較研究を行っていく。
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[Journal Article] New, Near-to-Mid Infrared High-Contrast Imaging of the Young Extrasolar Planets, HR 8799 bcde2015
Author(s)
Currie, Thayne M.; Burrows, Adam Seth; Girard, Julien; Cloutier, Ryan; Fukagawa, Misato; Sorahana, Satoko; Kuchner, Marc J.; Kenyon, Scott; Madhusudhan, Nikku; Itoh, Yoichi; Jayawardhana, Ray; Matsumura, Soko; Pyo, Tae-Soo
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Journal Title
American Astronomical Society
Volume: 47
Pages: -
Open Access / Int'l Joint Research
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