2015 Fiscal Year Annual Research Report
エリシターによって誘導される孔辺細胞内カルシウムシグナル伝達ネットワークの解明
Project/Area Number |
14J07977
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
叶 文秀 岡山大学, 環境生命科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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Keywords | シロイヌナズナ / 孔辺細胞 / カルシウム依存性キナーゼ / Open Stomata 1 / カルシウムシグナリング / イオンチャネル / キチンオリゴ糖 |
Outline of Annual Research Achievements |
陸生高等植物の葉の表皮に存在する気孔は、1組の孔辺細胞から形成される孔であり、ガス交換する重要な器官である。しかし、気孔は多くの植物微生物の侵入経路となる。微生物の侵入を阻害するために、孔辺細胞は微生物由来エリシターを認識し、気孔が閉じる。近年の研究により、エリシターに誘導されるその防衛応答は高等植物において広く保存されていることが明らかとなった。そのため、エリシター誘導気孔閉口の制御が植物の微生物耐性を強化する新たな手法として注目されている。しかし、エリシター誘導気孔閉口に関する研究は始まったばかりで、気孔閉口において重要なイオンチャネルの制御もほとんど不明のままである。 気孔閉口においてカルシウム依存的な経路は重要な役割を果たす。本研究は、エリシターによって誘導される孔辺細胞内カルシウムシグナル伝達ネットワークの解明を目的とした。これまでに、申請者は酵母エリシターによる気孔閉口に重要であるカルシウム依存性キナーゼCPK6とカルシウム非依存性キナーゼOST1を同定した。しかし、酵母エリシターはエリシターの混合物であり、その研究から得た成果の普遍性を調べる為に、精製した酵母エリシターの成分による孔辺細胞での信号伝達の解明が必要となる。 そこで本研究では、酵母エリシターに含まれるキチンによって誘導される孔辺細胞内カルシウムシグナル伝達ネットワークの解明を目的とした。本年度の成果として、精製したキチンオリゴ糖が、孔辺細胞において細胞質カルシウム濃度上昇、原形質膜カルシウム透過性チャネルとS型アニオンチャネルの活性化を誘導することを明らかにした。また、キチンオリゴ糖による気孔閉口にはCPK6とOST1が必要であることを解明した。これらの結果から、CPK6とOST1が孔辺細胞における様々な真菌由来のエリシター信号伝達に必要であることがさらに示唆された。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)