2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14J08233
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
森田 陽介 東京大学, 数理科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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Keywords | Lie群 / 離散群 / 不連続群 / Clifford-Klein形 / Lie環の相対コホモロジー / コホモロジー次元 / 局所的なモデル |
Outline of Annual Research Achievements |
等質空間上の不連続群の作用,等質空間を局所モデルとする多様体について研究を行った. 多様体 M が等質空間 G/H を局所的なモデルに持つとき,(g, H) の相対コホモロジーからMのde Rhamコホモロジーへの自然な準同型が定まる.この準同型を調べることで,与えられた等質空間を局所的なモデルとするコンパクト多様体が存在するための障害が得られることが,Kobayashi-Ono (1990) などの研究により分かっている. (i) この準同型を用いて障害を導出する際,議論の本質的な部分には,Lie群の簡約性・ユニモジュラー性は全く必要ないことを発見した.例えば,可解な実線型代数群の1次元以上の余随伴軌道を局所モデルとするコンパクト多様体は存在しない. (ii) コンパクトClifford-Klein形の存在に対する新たな障害を発見した.証明の鍵となるアイディアは,不連続群のコホモロジー次元の上界の評価を,上述の準同型と組み合わせることである.これにより,コンパクトClifford-Klein形を持たない半単純対称空間の例を新たに幾つか構成することができた.特に,p, qが正整数でqが奇数のとき,完備で正の定曲率を持つ符号 (p,q) の擬Riemann多様体は全て非コンパクトになることが分かった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コンパクトClifford-Klein形の存在問題に関して,前年度までは想定していなかった成果を得られた(「研究実績の概要 (ii)」).
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Strategy for Future Research Activity |
N. Tholozanによる結果(Volume and non-existence of compact Clifford-Klein forms. arXiv:1511.09448)と「研究実績の概要 (ii)」で述べた結果の関係を解明したい.
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Research Products
(6 results)