2015 Fiscal Year Annual Research Report
グリオブラストーマ幹細胞におけるテロメア長維持機構の解明
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14J08396
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大内 梨江 東京大学, 新領域創成科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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Keywords | グリオブラストーマ / がん幹細胞 / 分化 / 老化 / テロメア / テロメラーゼ / SASP / 血管新生 |
Outline of Annual Research Achievements |
神経膠芽腫(glioblastoma multiforme: GBM)は、神経膠細胞から発生する脳腫瘍の一種であり、最も悪性度の高いグレード IV である。GBMは、神経膠腫幹細胞(glioma stem cells: GSCs)と非がん幹細胞(non-stem glioma cells: NSGCs)を含む不均一な細胞集団で構築されている。GSCsがGBMの悪性化に寄与している報告がなされている中、腫瘍形成能を有してないNSGCsは、GBMの嵩としか考えられていない。しかし、未だにNGCSsの性質はよくわかっていない。申請者は、本研究で、NSGCsが、細胞老化を誘導し、血管新生関連液性因子を細胞外に放出することで、GSCsの腫瘍形成を促進することを見いだした。まず、2名のGBM患者由来GSCsを血清により分化誘導した。分化したNSGCsは、細胞の分裂寿命を司るテロメアの再生酵素テロメラーゼの活性消失とテロメア短縮に伴い細胞老化を誘発した。また、老化したNSGCsは、血管新生を促す液性因子を豊富に分泌し、ヒト脳由来血管内皮細胞の増殖を促進させた。老化NSGCsとGSCsをマウスに同時移植した異種移植片では、GSCsの単独移植片に比べ、血管内皮細胞の数が増加した。さらに、老化NSGCsとGSCsの同時移植片では、GSCs単独移植もしくは分化NSGCs(老化前)とGSCsの同時移植片に比べ、腫瘍形成率が向上し腫瘍が増大した。以上の結果から、NSGCsが、細胞老化を引き起こし、血管新生を促進させることで、GBMの悪性化を促進する働きがあることが明らかとなった。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(7 results)