2014 Fiscal Year Annual Research Report
ブローホール型波力発電における変動追従型制御とタービン発電機の開発
Project/Area Number |
14J08635
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
飯野 光政 東京大学, 工学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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Keywords | 再生可能エネルギー / 振動水柱型波力発電 / 波力発電 / ブローホール式波力発電 / 動力学 / ウェルズタービン / 制御工学 |
Outline of Annual Research Achievements |
ブローホール型波力発電は各種波力発電方式の中でも信頼性,寿命に優れる方式として提案されている.本研究ではブローホール型波力発電の大型化を視野に入れた設計のために,ブローホール波力発電用タービン発電機の動的シミュレーション手法を確立し,大型機におけるタービン発電機構成を検討する. 本年度は既往の手法を元に機械的応答性,制御特性,翼特性の3要素をモデル化した動的応答シミュレーション手法を確立した.その上で,直径0.8m,30kWのタービンに相当する機械系およびコントローラを利用したハードウェアインザループシミュレーション(HILS)実験を行った.その結果,HILS実験と解析モデルの回転数平均値,標準偏差はともに5%以内の高精度で一致することを確認し,制御および機械系のモデル化は妥当であることを明らかにした.さらに,慣性モーメント変化の影響を解析によって評価した結果,制御方法によって適用可能な慣性モーメントの範囲が異なることが明らかになった.このことから,大型機検討の際に慣性の影響を加味する必要性が確認できた.加えて,空力モデルの妥当性評価として,実海域実験との比較を行った.実海域において計測された圧力変動を解析条件とした場合,シミュレーションは実海域実験に対して平均回転数10%の精度,相関係数は0.96の結果を示した.この結果から,空力変動中の平均出力を目標の精度で評価できたと判断できる.以上によって,制御および機械系の応答モデルを確立することができた.さらに次年度の検討における流入条件決定のため,ブローホール一次変換部のモデルを開発し,水槽試験との比較検証を行った.具体的には既往のモデルを傾斜および長大管路のために拡張した解析手法を開発し,波周期3秒の条件における水槽実験と水位変動が良く一致することを確認し,空気出力の圧力振幅が実験と一致する範囲を明らかにした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は当初予定していた30kW規模のタービン発電機に関する検討内容について順調に遂行した.タービン空力特性・慣性モーメント・タービン負荷制御の影響を含む動的解析シミュレーションコードの開発および検証を実施し,変動流・可変速制御時のタービン性能評価手法を確立できた.それらに加えて次年度以降の検討に用いるブローホール波力発電一次変換部の基礎的モデルを確立することができた.一方でシミュレーションにより実施した慣性モーメントの出力に対する感度評価の実験的検証,一次変換部モデルの周波数応答についての議論は不十分な面もあり,今後の課題である.
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Strategy for Future Research Activity |
シミュレーションによる慣性モーメントの感度評価の実験的検証については,HILS実験装置を利用した検証データを積み重ねることが必要と考えている.また,一次変換部については,減衰係数など,周波数依存性のパラメータを加味した検討が必要と考えている.当初の予定である大型機を対象とした解析および高効率運転の検討を行う上では,翼型・制御の改善が必要となることが予想される.その際には近年提案されている補助翼付タービンや複合材料による慣性の低減などが解決策として考えられるため,それらを視野に入れて大型機において最適なタービン発電機の検討を進める.
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Research Products
(4 results)