2015 Fiscal Year Annual Research Report
電気化学高速AFMと構造解析を用いた新規キノヘモプロテインの電子移動機構の解析
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14J08641
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
武田 康太 東京農工大学, 大学院工学研究院, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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Keywords | 酸化還元タンパク質 / ピロロキノリンキノン / ヘム / セロビース脱水素酵素 / 糖質関連酵素 / 生物電気化学 / 電子移動 / 高速AFM |
Outline of Annual Research Achievements |
真核生物由来で初のピロロキノリンキノン(PQQ)酵素である担子菌Coprinopsis cinerea由来ピラノース脱水素酵素(CcPDH)は、新規PQQドメインに加えて、シトクロムドメインとセルロース結合性ドメインを有した、構造的に特徴のある菌体外酸化還元酵素である。 全長酵素及び、各ドメインをそれぞれ切り離した組換え体を用いてその酵素学的性質を明らかとした。特徴的な性質として、逆いす形配座の立体配置をとる単糖に対して認識すること、セロビオース脱水素酵素のヘムドメインと類似した性質を有していること、さらにセルロースへの強い吸着能があることがわかった。各ドメインで至適pHが異なることを見出し、全体の電子伝達反応のなかで、分子内電子移動が反応の律速となっており、pHに依存していることが示唆された。電気化学測定により酵素内のPQQとヘムの酸化還元電位を決定することに成功し、本酵素の分子内電子移動機構が電位差によって制御されていることを示唆する結果を得た。 全長およびPQQドメインのみからなるタンパク質を、種々の電極上に固定化し直接電子移動型の酵素電極反応に関する知見を得た。PQQドメインのみで直接電子移動反応が可能であることを新たに見出した。タンパク質内に結合したPQQの酸化還元に由来するピーク波を観測することができ、PQQ酵素でこのような電極間と効率的な直接電子移動反応が観察された例は初めてである。 明らかにしたシトクロムドメインの構造解析を基に、変異体を作製して調べたところ、ヘム周辺の表面電荷がpHに依存したドメイン間の電子移動反応に関与することがわかり、変異によりpH依存性が変化する結果が得られたことは大変興味深い。金沢大との共同研究を遂行し、電気化学計測と高速原子間力顕微鏡(HS-AFM)の同時測定が可能な電気化学HS-AFM装置の構築をした。本手法により、酸化還元反応に伴うタンパク質一分子の動的挙動を直接観察が可能となる。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(8 results)