2015 Fiscal Year Annual Research Report
グラフィティックカーボンナイトライドの配向制御に基づく新しい応用探索
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14J08678
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
荒添 弘樹 東京大学, 工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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Keywords | カーボンナイトライド / 薄膜 / アクチュエーター / 屈折率 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度、カーボンナイトライドポリマー (以下GCN) 薄膜の作成条件を検討していく上で、特定の条件下で作製された薄膜はアクチュエーター特性を示すことがわかった。本年度でメカニズム解明のために詳細な分析を続け、論文を投稿するにいたった。また高度に配向したGCN薄膜は非常に高い屈折率を示すことがわかった。現在より正確な値を評価すべく様々な測定を試みているが、屈折率はおおよそ2.4~2.7であることがわかった。また複屈折も0.8~1.0程度と非常に大きく、これらの値は報告されている有機薄膜の中でも高い屈折率である。加えて、非常に高い屈折率を有しているため、角度依存性の低い干渉色を実現することがわかった。従来の計画では触媒活性の評価を行う予定であったが、高い屈折率薄膜材料は基礎、応用の観点からも非常に興味深く、高屈折率を利用した有機ELの光取り出し向上などエネルギー問題に貢献できる可能性がある。そのため、当初の予定とは異なるが、研究方針を大きく変えて取り組んだ。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究室では昼夜問わず研究に励んでおり、自身で研究をリードしながら着々と実験をこなしている。また昨年発見した薄膜の新たな特性 (アクチュエーター特性)のデータを揃え論文を投稿した (現在投稿中)。加えて、光学物性においても新たな知見が得られ、これらの結果は学術的に興味深いだけでなく実用的なアプリケーションにも新たな知見を与えると判断し、研究方向をシフトさせた。
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Strategy for Future Research Activity |
光学物性において新たな知見が得られたため、光学物性にフォーカスし研究を進めていく予定である。 またこれらの結果を特許にまとめ始めている (5月末に投稿予定)。特許にまとめたのち、論文に投稿予定である。
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Research Products
(2 results)