2016 Fiscal Year Annual Research Report
グラフィティックカーボンナイトライドの配向制御に基づく新しい応用探索
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14J08678
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
荒添 弘樹 東京大学, 工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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Keywords | Carbon Nitride / Film / Actuator / Refractive Index |
Outline of Annual Research Achievements |
カーボンナイトライドポリマー (以下GCN) 薄膜の作成条件を検討していく中で、特定の条件下で作製された薄膜がアクチュエーター特性を示すことを見出し、本年度でNature Materials誌に筆頭著者として採択された。また高度に配向したGCN薄膜が可視、近赤外領域で 2.0 を超える面内方向の屈折率を有することを発見した。エリプソメトリーにより窒素雰囲気下で無塩ガラス基板上に作製した薄膜の屈折率を測定したところ、面内方向の屈折率は可視領域から近赤外領域 (420 nm < λ < 1690 nm) において、2.14 < n平行 < 2.76 と非常に高い屈折率を示した。 モルフォ蝶など、微細構造からなる構造色は角度依存性が小さいことが知られているが、人の手で人工的に再現するには複雑なプロセスを必要とする。一方で、GCN 薄膜のように非常に大きい屈折率を有する薄膜の干渉色は、薄膜を形成するだけで同様の効果が得ることができる。例えばGCN 薄膜コーティングされた炭素材料は、高屈折率からなる干渉色により鮮やかで均一な色を示すことができる。さらに編み込んだ炭素繊維上にも直接コーティングすることが可能であり、意匠性を失わないことが確認できた。 また膜厚方向の屈折率は可視領域から近赤外領域の波長で 1.43 < n垂直 < 1.53 であり、面内方向に比べて低い値であった。よって複屈折の絶対値は 0.71 < Δn < 1.22 であった。この絶対値は方解石、 酸化チタン、高分子薄膜などの報告されている値の中で最も高い値である。本研究の GCN 薄膜のような高い複屈折を有する薄膜を用いれば、非常に少ない層でも十分に偏光を分離することが可能であり、低コスト化などが期待できる。これらの研究成果をもとに特許を4報出願している。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(7 results)