2015 Fiscal Year Annual Research Report
領域分割と多視点マッチングを融合した3次元形状推定の研究
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14J09001
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
谷合 竜典 東京大学, 情報理工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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Keywords | コンピュータビジョン / トップ国際会議採択 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究課題「領域分割と多視点マッチングを融合した3次元形状推定の研究」について、領域分割と多視点マッチング(ステレオマッチング)のそれぞれにおいて下記の業績をあげた。 画像の領域分割や2値化などの処理は、0あるいは1をとる離散変数を用いたエネルギー関数最適化問題として定式化される。本研究では、2値変数エネルギー関数が複雑な場合においても、より正確に最小化するための手法を提案し、画像の領域分割にとどまらず2値化などの幅広い応用例において従来手法を上回る精度を達成した。この成果は、IEEE Conference on Computer Vision and Pattern Recognition (CVPR 2015) に採択され、2015年6月にアメリカ・ボストンで発表された。なお、全体の投稿数および採択率は 602/2123 = 28.4%であった。 ステレオマッチングとは、2視点からの画像が与えられた際に、2画像間での各ピクセルの密対応(あるいは視差)を求めることでシーンの奥行きを求める手法である。昨年度の業績において、Middleburyベンチマークと呼ばれる標準的なテストにおいて、150位上の手法の中で総合で1位の精度を達成した。本年度はこの手法を拡張し、さらなる精度向上と1コアCPU動作での17倍以上の高速化を実現し、トップ国際英文誌に投稿した。 さらに、ステレオマッチングと画像領域問題を一般化し、同じ種類であるが異なる物体の画像が2枚与えられたときに、共通物体領域の推定と、共通物体領域内での画像間の密対応点の推定を同時に行う手法を提案した。これは本研究課題である、領域分割と多視点マッチングの融合のための重要なステップである。この成果はCVPR 2016に採択され、2016年6月にアメリカ・ラスベガスで発表予定である。採択率は643/2145 = 30.0%であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上述のとおり、画像分割と多視点マッチングのそれぞれにおいて、その根本的な手法の改善を行い、最新の手法を上回る精度を示し、さらにそれぞれを融合する際の重要なステップを築いた。各成果はCVPR 2015およびCVPR 2016に採択されている。この会議は例年、2000件以上も投稿され、採択率は30%以下の難関会議である。 また、これまでの研究業績が高く評価され、国内での大規模な会議とシンポジウムにおいての2回の招待講演を行った。さらにMicrosoft Research AsiaからのPhD Fellowship Aawardを個人で受賞した。これは今後の活躍が見込まれる、アジア圏の情報科学を専攻する博士学生を表彰する賞で、今年は100件近い応募がある中で、13人の受賞者のうちの一人に選ばれた。日本からは1名のみであった。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの成果によって、画像分割および多視点マッチングのそれぞれについて十分な知見を蓄積することができ、両者を融合することも成功した。今度は、リアルタイムで動作するような高速な手法に着目し、より実用面での成熟を検討したい。これに関しては、28年度の5月から3ヶ月間、アメリカのマイクロソフト・リサーチでのインターンシップとして、トップ研究者との共同研究が予定されている。
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Research Products
(10 results)