2015 Fiscal Year Annual Research Report
所有権の認識が公正性の判断に及ぼす影響についての実験研究
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14J09466
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
武居 寛史 東京大学, 法学政治学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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Keywords | 公平性 / 実験 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度、研究のため実施した作業は、行動実験の実施、ならびに、計算機シミュレーションの実施である。行動実験は、申請計画通りに実施した。実験は、所属大学である東京大学において、被験者を募集して実施し、その結果の統計解析を行った。結果については、さらなる検討が必要であるため、来年度に追加で実験を行う必要がある。計算機シミュレーションについては、昨年度、研究全体について理論的な理解が不十分であるとの指摘を受けたため、その指摘に基づき、実験研究を補足するために開始したものを、継続して行っている。具体的には、agent-based-simulationと呼ばれる方法を用い、設定された条件のもとで、どのような分配結果が生じやすいかについて分析した。 行動実験、ならびに、計算機シミュレーションは、両方とも、従来の公平性の研究の拡張を目指したものである。従来の研究の主たる関心は、個人の行動や資質に関係なく初期状態が設定され、その上で資源の分配に関する意思決定が行われる場面に偏っていた。研究では、この初期条件について拡張し、個人の実績(分配される資源への貢献度合い)によって資源の持ち分が決まる状況を設定し、そこからの分配行動について詳しく検討した。 なお、昨年度の研究成果について、早稲田大学実施の研究セミナー、日本政治学会、実験社会科学セミナーで発表をおこなった。今年度の研究内容についても、京都で実施される日本政治学会において発表を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していた行動実験については、実施することができた。補足的なシミュレーション研究についても一定の研究成果を得た。
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Strategy for Future Research Activity |
繰り越し予算を用いて本年度実験の追加実験を行い、その結果を学会発表し、かつ雑誌への投稿を行いたい。シミュレーション研究についても、雑誌への投稿を行う。実験、シミュレーションについては、来年度の計画に基づいて、引き続き実施する。
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