2014 Fiscal Year Annual Research Report
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14J09502
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大森 寛太郎 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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Keywords | 超弦理論 / 6次元超共形場理論 / 国際情報交換 |
Outline of Annual Research Achievements |
開超弦のNSセクターの場の理論を超幾何との対応が明確な形で構成する研究を行っている。開超弦においては、ボゾニック開弦の場の理論と同様の相互作用項(Witten vertex)によりつくられるFeynmann diagramは超モジュライを被覆しない。 これを補うための高次の相互作用を再帰的に構成し、これらの相互作用がA∞代数とよばれるゲージ代数を満たす事を示す。このような構成をRセクターにも拡張したい。この研究は近年構成された超弦のOff-shell 摂動論の理論と密接な関係がある。 また、6次元超共形場理論の量子異常について共著者とともに調べた。6次元N=(2,0)超共形場理論はM理論から自然にたちあられる場の理論であり、多くの研究がなされている。超対称性の少ない6次元N=(1,0) 超共形場理論も同様にM,F理論から存在が示唆されるが、これらについての研究が近年盛んになってきた。一般に6次元N=(1,0) 超共形場理論はラグランジアンに依る記述がないため、物理量を計算する事は難しいが、量子異常多項式はくりこみ群で変化しないため計算が比較的容易な物理量であり、これに着目した。まず、E弦理論と呼ばれるタイプの6次元N=(1,0)理論に対してアノマリーインフローと呼ばれる手法を用いて量子異常多項式を計算した。さらに一般の6次元N=(1,0) 超共形場理論に対して適応できるテンソルブランチアノマリーマッチングという手法を開発し、いくつかのクラスの6次元N=(1,0) 超共形場理論に対して量子異常多項式を計算した。 現在これらの6次元N=(1,0) 超共形場理論をトーラスによってコンパクト化して得られる4次元N=2超対称理論についての研究を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
超モジュライの幾何学に依る超弦の場の理論の構成は当初研究目標の一つであり、まだ論文の発表には至っていないが、今後論文を執筆し発表できる見通しである。
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Strategy for Future Research Activity |
執筆中である超モジュライの幾何学に依る超弦の場の理論の構成の論文を完成させ、さらにそれを開超弦のRセクター、閉超弦へと拡張する。超弦のOff-shell 摂動論の理論との関連も研究する。
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Research Products
(3 results)