2015 Fiscal Year Annual Research Report
非タンパク主鎖骨格ペプチドを合成可能な改変型リボソームの創製
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14J09520
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
藤野 公茂 名古屋大学, 工学研究科, 助教
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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Keywords | 翻訳系 / リボソーム / 非タンパク質性アミノ酸 / ペプチド |
Outline of Annual Research Achievements |
翻訳反応の中心的役割を果たすリボソームは、多くの非タンパク質性アミノ酸を許容できることが近年明らかになってきた。しかし一方で、D体アミノ酸、β-アミノ酸、N-メチルアミノ酸などの、特殊な主鎖骨格を持つ非タンパク質性アミノ酸については、導入に大きな制限が存在する。そこで本研究では、『主鎖骨格が特殊な非タンパク質性アミノ酸を自由に導入可能な改変型リボソームの開発』を目的とした。巨大分子であるリボソームは、構造を予測して改変を行うことが難しいため、活性中心の近傍にランダム変異を加えたリボソームのライブラリから実験操作によって目的のリボソームを選択するという方法を用いることを計画した。 平成26年度には、変異リボソームのライブラリ作製を完了し、目的の改変リボソームのみを、選択的に回収する条件の探索を行った。さらに本年、平成27年度には、実際に非タンパク質性アミノ酸を導入可能な改変リボソームの選択を行い、得られたリボソームの配列解析を行った。その結果、得られたリボソームはほとんど野生型であることが明らかになった。現状の方法では、ライブラリから変異リボソームの選択と増幅を繰り返し行うため、増幅されやすい野生型リボソームの割合が徐々に増加してしまったと考えられる。そこで今後は、増幅の過程を経ないで配列解析を行うことにより、解決が可能であると考えている。 また、野生型リボソームによるβ-アミノ酸の導入についての詳細な解析も並行して続けた。その結果、翻訳に利用可能な多くのβ-アミノ酸が同定された一方、導入できないアミノ酸の存在も明らかになった。さらに、複数個のβ-アミノ酸を連続的に導入できないという、大きな制限についても明らかにした(J. Am. Chem. Soc., 2016)。この結果は、改変リボソームを開発するという本研究の必要性を示すものである。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)