2014 Fiscal Year Annual Research Report
進化計算における制御パラメタの効率的な設定方法の開発と応用
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14J09528
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
田邊 遼司 東京大学, 総合文化研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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Keywords | 進化計算 / パラメタチューニング / パラメタ適応 / Differential Evolution / 関数最適化問題 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度では, 関数最適化問題に対する進化アルゴリズムの中でも最も強力な手法の1つであるDifferential Evolution (DE) の改良, 及びその振る舞いの解析に取り組んできた. 本年度の主な研究成果は以下のようにまとめられる. (1) Linear Population Size Reductionの導入によるSHADEの改良: 申請者は制御パラメタを探索中に適応的に調整するDEアルゴリズム, Success-History based Adaptive DE (SHADE) を過去に開発している. SHADEは最も優れたDEアルゴリズムであるが, 本研究ではさらなる改良のために, 探索の経過に対して線形的に集団数の減少を行う戦略をSHADEに導入した. その結果, SHADEの大幅な性能の改善を実現できた. (2) ハイブリッド関数における適応DEの振る舞いの調査: SHADEを含め, 制御パラメタを自動調整する適応DEの研究が近年活発に行われている. その一方, 適応DEの適応メカニズムの解析に関する研究は, 今後優れた適応DEを開発する上で重要であるにも関わらず, あまり行われていない. そこで本研究では, 複数の関数から構成されるハイブリッド関数における適応DEの振る舞いを調査した. その結果, ハイブリッド関数は適応DEにとって困難な問題であること, 及びその原因を明らかにした. (3) 自動チューナーを用いた異なる最大評価回数におけるDEアルゴリズムのパラメタ設定の調査: 実問題においては解の評価にシミュレーションなどを使用するため, 一つの解を評価するのに10分以上の計算時間がかかるような, 解評価の計算コストが高い問題が存在する. しかし, このような条件下において適切なDEのパラメタ設定の調査は, あまり行われていない. これを調査するため, 本研究では異なる最大評価回数ごとに適切なDEアルゴリズムのパラメタ設定を自動チューナーにより求めた. その結果, DEの適切なパラメタ設定は, 使用可能な探索資源ごとに異なることがわかった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度開発したL-SHADEは関数最適化問題に対して非常に強力な手法であり, 進化アルゴリズム全体における新たなstate-of-the-artな手法の一つとして考えることができる. また, ハイブリッド関数における適応DEの振る舞いを解析し, DEにおける適切な制御パラメタは探索資源ごと異なることを明らかにした. これら研究成果は実問題にDEを適用する際に非常に有意義なものである. 以上のことから, 本研究課題はおおむね順調に進展していると言える.
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Strategy for Future Research Activity |
今年度も引き続きDEのパラメタ適応, 及びパラメタチューニングに関する研究を進める予定である.また, 現在までに得られた研究成果をさらに発展, 洗練させ, 論文誌論文として取りまとめる予定である.
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Research Products
(9 results)