2014 Fiscal Year Annual Research Report
微生物によるナノ粒子生成反応を模倣したモリブデンナノ粒子の新規合成法の確立
Project/Area Number |
14J09602
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
山﨑 信哉 筑波大学, 数理物質系, 助教
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2015-03-31
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Keywords | リポソーム / モリブデンナノ粒子 / 透過型電子顕微鏡 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的はリポソーム表面でナノサイズ(<100nm)のモリブデン粒子を合成する手法を確立することである。このリポソーム上に生成するモリブデン粒子を分析する方法として、透過型電子顕微鏡(TEM)が有効と考えられる。TEMを利用することでモリブデン粒子の結晶性やサイズなどの情報が得られる。しかしリポソームが含水試料であるため、真空中で観測する通常の方法では観察できない。そこでイオン液体を用いてリポソーム-モリブデンナノ粒子系のTEM測定を行うための最適条件について検討した。 ①イミダゾール基を持つカチオンとリン酸イオンや酢酸イオンなどの陰イオンからなるイオン液体を用いてリポソームのTEM観察を行った。この結果陰イオンが酢酸イオンの場合が最も明確なTEM像が得られた。また、陽イオンの炭素鎖を変えて測定したところ、炭素鎖が短いイオン液体を用いた場合に明瞭なTEM像が得られた。 ②リポソーム試料にイオン液体を添加して真空乾燥により水分を除去した後、(I)イオン液体をTEMグリッドにのせる方法と(II)リポソーム試料にイオン液体を添加してTEMグリッドにのせた後に大気圧下で水分を除去する方法を比較検討した。その結果(I)と(II)で明確な違いが見られ、(I)の方法ではイオン液体の厚みが大きくイオン液体中のリポソームが観測できなかったが、(II)では明確なリポソーム像が観察された。 ③リポソーム内部の塩濃度がTEM測定に与える影響を検討した。リポソーム内部にイオンを含まないものと、50 mM、500mMの塩化カルシウムを含む試料を調製し、イオン液体を添加して乾燥させた後TEM測定を行った。その結果、リポソーム内にイオンが存在しない場合リポソームが観測されず、500 mMの塩溶液を含む場合にはリポソームの凝集が見られた。50 mMのリン酸イオンを含む試料は、明瞭なTEM像を得ることができた。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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