2014 Fiscal Year Annual Research Report
人間の視覚メカニズムに基づいた効率的な目視検査方法の考究と訓練システムの構築
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14J09642
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
中嶋 良介 青山学院大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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Keywords | 目視検査 / 外観検査 / 欠点検出 / 周辺視野 / 訓練システム |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、周辺視野を活用した目視検査方法(周辺視目視検査法)が提案され、生産現場で検査精度と検査効率の両面から有効であることが報告されている。しかし、この検査方法は、熟練検査者の感覚的・経験的な暗黙知の部分が多く、非熟練検査者に適用する際、どのような手続きや訓練が必要かは明らかになっていない。そこで今年度は、人間の視覚メカニズムに基づいた効率的な目視検査方法の解明と訓練システムの開発を目指し、研究室における目視検査をモデル化した実験と実際の目視検査現場における実態調査を並行して行なった。 1. 研究室における目視検査をモデル化した実験 実際の目視検査現場における問題に着目し、検査者(被験者)と検査対象面の視距離や検査対象面の見せ方、欠点の特徴などを変動要因とする実験を通じて、これらの相違が欠点検出に及ぼす影響について評価した。また、周辺視目視検査法を新人検査者に習得させるための訓練ツールをコンピュータシステムとして開発し、その有効性についてコントロール実験を通じて検証した。その結果、目視検査の経験を有さない新人検査者であっても、短い時間の訓練で周辺視目視検査法を十分に習得できるという知見を得た。 2. 実際の目視検査現場における実態調査 自動車用の部品を製造する企業に協力して頂き、周辺視目視検査法を実現するための要件を整理し、適切な検査環境の検討を行なった。具体的には、欠点の視認性を定量的に表現するための方法を開発し、光源の種類や当て方が欠点の視認性に及ぼす影響を評価した。その結果、光源の種類や当て方によって欠点の視認性は大きく異なることが明らかになり、適切な検査環境を構築することで従来は検出できなかった欠点を容易に検出できるようになるという知見を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究室における実験と実際の目視検査現場における実態調査を並行し、検査者や検査環境を定量的に評価するための方法も確立しつつあり、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
研究室における実験と実際の目視検査現場における実態調査で得られた知見に基づき、総合的な検討を進める。具体的には、これまでに得られた個別の知見を一般化し、より多くの目視検査工程に適用するための方法論を確立する予定である。
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Research Products
(6 results)