2014 Fiscal Year Annual Research Report
末端官能基化高分子を利用した構造特異性高分子の精密設計と分子鎖形態に関する研究
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14J09664
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
齋藤 悠太 山形大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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Keywords | ロッドブラシ / 分子鎖形態 / 希薄溶液物性 / ポリ(nーヘキシルイソシアナート) / SEC-MALS / 小角X線散乱 |
Outline of Annual Research Achievements |
片末端に重合性官能基を有するマクロモノマーを単独重合して得られるポリマクロモノマーはその形状からブラシポリマーと呼ばれている。ブラシポリマーは側鎖の排除体積効果によって半屈曲性高分子として振る舞うことがわかっている。しかし、ブラシポリマーの分子鎖形態が何によって左右されるのか未だに十分な理解はされていない。我々は、ポリ(n-ヘキシルイソシアネート) (PHIC) の半屈曲性に着目し、PHICを側鎖に導入したロッドブラシを合成し、立体配座特性に関する研究を行ってきた。ロッドブラシは同じ側鎖長を有する柔軟鎖からなるブラシポリマーと比べて主鎖が剛直になることが分かっている。さらにロッドブラシの主鎖の一次構造をポリスチレンからポリメタクリレート主鎖に変化させると、まったく異なる主鎖剛直性を有することが分かった。この挙動は今までのブラシポリマーの理論からは説明できない。そこで最も影響が大きいと考えられる主鎖と側鎖の間の柔軟なスペーサーの影響について研究を行った。本年度の研究の進捗は以下のとおりである。 1.オキシエチレン鎖をスペーサーとして、様々な長さのスペーサーを有するPHICマクロモノマーをいくつかの重合度(DP=20~80)で合成した。単独重合することでロッドブラシを合成した。 2.合成したロッドブラシは、希薄溶液物性を静的光散乱、小角X線散乱、示差屈折率、および密度測定を行い、溶液中での分子の拡がりを測定した。 3.以前の結果と比較し、スペーサーの影響について検討したところ、スペーサーがロッドブラシの分子鎖形態に大きく影響を及ぼしていることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
目的達成のためにはスペーサーの影響について観察するだけではなく、スペーサーを介することで側鎖の運動性や、末端の影響についても検討を行わななければならない。サンプル合成やスペーサーの影響については概ね達成しているため今後は側鎖の運動性等に焦点を当てて検討していく。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はスペーサーを有するロッドブラシの側鎖が、スペーサーによって運動性に差があるのかを調査していく、また、原子間力顕微鏡による分子の直接観察を行い、固体状態での分子鎖形態についても検討する予定である。
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Research Products
(7 results)