2014 Fiscal Year Annual Research Report
指示忘却による記憶抑制が睡眠中の記憶処理及び夢内容に及ぼす影響の検討
Project/Area Number |
14J09711
|
Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
池田 大樹 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所 成人精神保健研究部, 特別研究員(PD)
|
Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
|
Keywords | 睡眠 / 指示忘却 / 恐怖記憶 |
Outline of Annual Research Achievements |
情動記憶の想起成績が記憶抑制操作(指示忘却法)により低下することが報告されている。また、睡眠は記憶の定着を促進すること、恐怖文脈記憶後に睡眠剥奪を行うと恐怖記憶が減弱することが明らかにされている。一方、記憶抑制下での恐怖文脈記憶後に睡眠剥奪を行うと、恐怖文脈記憶が逆に増強される。睡眠剥奪による恐怖記憶減弱は、睡眠中の記憶増強プロセスの剥奪によって説明づけられるが、記憶抑制後の睡眠剥奪により恐怖文脈記憶が増強する背景メカニズムは明らかではなく、これを検討する。本研究は恐怖記憶の抑制に関する基礎的なデータを得ることが目的であるが、将来的にはPTSDの治療の一助となる応用的な展開も視野に入れている研究であり、基礎と臨床を結ぶトランスレーショナルリサーチにも位置している。 本年度は、睡眠と指示忘却が恐怖記憶処理に及ぼす影響を検討した。健常成人36名を睡眠群と覚醒群にランダムに割り付け、記憶、指示、再認課題を実施した。その後、睡眠または覚醒維持をとり、再度再認課題を行った。現在、睡眠、覚醒維持前後の記憶成績や磁気共鳴機能画像法(fMRI)による脳活動の比較等、分析を実施している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度(2014年度)は、睡眠と指示忘却が恐怖記憶処理に及ぼす影響を検討した。 第一四半期に実験準備と予備実験を実施し、明らかになった問題点から、実験方法を一部新たにした。第二四半期より本実験を開始し、睡眠群20名、覚醒群16名分のデータを取り終えた。第二年度に、覚醒群5名程度を追加し、第一実験を終了する予定である。これは当初の計画通りの進展といえる。
|
Strategy for Future Research Activity |
次年度(2015年度)について、第一四半期に第一実験の参加者人数を増やし、随時分析を行っていき、第二四半期中には第一実験終了する予定である。第二四半期から、第二実験の準備、実施を行う。
|
Research Products
(7 results)