2014 Fiscal Year Annual Research Report
新規遺伝子編集技術を用いた非中心体性Golgi微小管の伸長開始制御機構の解析
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14J09939
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
佐藤 由典 横浜市立大学, 医学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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Keywords | 非中心体微小管 / 遺伝子編集技術 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究においては、中心体以外から伸長する微小管の一つである Golgi微小管の伸長開始機構を明らかにすることを目的とする。技術的な問題から十分な検証が行われていなかった従来仮説「 gamma-Tubulin複合体が、Golgi膜上に局在することにより開始起点が形成される」に関して検証する。検証するに当たり、Golgi膜上を点在する微小管伸長起点を免疫電顕により解析を行うにも、「微小管と Golgi膜構造を維持する固定条件では、抗体の抗原性が維持できない」といった問題を、遺伝子編集技術を用いて解決する。具体的には、TALENや CRISPR /Cas9システムを用いて、内在性 gamma-Tubulinの miniSOG-Tag標識を行う。蛍光タンパク質miniSOGは、励起光に応じて一重項酸素を産生する性質を持ち、その性質を利用することにより融合タンパク質の微細構造中の局在を標識することができ、走査電顕と同程度のより強い固定条件にも適合する利点がある。本研究においては、既存の抗体を用いた免疫電顕法と比較して、より保存された微細構造における内在性タンパク質の局在を検討する新規解析法を構築することも目標とする。 本年度は計画通り、TALENや CRISPR /Cas9システムの立ちあげを中心に行なってきた。gamma-Tubulinに対する TALEN発現 plasmidの構築を行ったが、効率の良いTALENを得ることができなかった。そこで、別の遺伝子編集技術 CRISPR /CAS9法への切り替えを進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の研究は、非中心体微小管の伸長開始機構を明らかにすることを目的に、内在性gamma-Tubulin複合体構成因子をTag標識するためのTALEN発現 plasmidの構築を行った。gamma-Tubulin遺伝子に対するTALEN発現 plasmidをいくつか構築したが、効率の良いTALENを得ることができなかった。そこで、別の遺伝子編集技術 CRISPR /CAS9法への切り替えを進めた。 さらに、本研究課題に密接に関連した実験の成果を発表することができた。そのためおおむね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の目的達成には、市販のCRISPR /Cas9 plasmidはいくつかの改良すべき点があるため、様々に改変し、遺伝子改変効率の評価を行うことで最適なベクターを得ることにする。現在、詳細な実験により実際に使用するplasmidの決定を行っている。 構築が完了したplasmidは、ヒト網膜色素上皮細胞 hTERT-RPE1に導入し、miniSOG-Tag付 gamma-Tubulin発現 hTERT-RPE1細胞の樹立を行う。その後計画に従い、電子顕微鏡観察とCALI法により、gamma-Tubulin複合体のGolgi微小管伸長開始制御への関与を検証する。
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Research Products
(1 results)