2016 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト褐色脂肪組織による糖代謝改善効果とそのメカニズムの解明
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14J10103
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
米代 武司 北海道大学, 獣医学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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Keywords | 脂肪細胞 / 糖代謝 / 肥満 / 骨髄 / BCAA |
Outline of Annual Research Achievements |
白色脂肪組織(WAT)中に刺激応答性に出現するベージュ脂肪細胞はエネルギー消費に寄与する。本研究では、1)ベージュ脂肪組織の形成における骨髄由来幹細胞の関与、および2)ベージュ脂肪細胞の分岐差アミノ酸(BCAA)代謝能力の有無とその糖代謝への影響について検証した。 ベージュ脂肪細胞は、脂肪組織中の前駆細胞に由来すると考えられているが、骨髄由来幹細胞の寄与はよく知られていない。そこで、放射線照射により骨髄細胞を損傷させたC57BL/6JマウスにCAG-EGFPマウスの骨髄細胞を移植し、β3アドレナリン受容体作動薬(CL, 0.1mg/kg)を3日間投与してベージュ脂肪細胞を誘導した。その結果、マーカー分子であるUCP1を発現するベージュ脂肪細胞の一部にGFPの発現が確認された。CL誘導のベージュ脂肪組織の形成は、骨髄由来細胞がWATに供給され、分化することで達成されていることが判明した。 必須アミノ酸であるBCAAは、インスリン抵抗性を惹起する可能性が提唱されている。最近、白色脂肪細胞が高いBCAA代謝活性を有していることが報告されたが、ベージュ脂肪細胞については不明なままである。そこで、ヒトとマウスのベージュ脂肪細胞を培養し、1-14C バリン酸化量を評価した。ノルエピネフリン(NE)を投与して熱産生を活性化させると、バリン酸化量が上昇した。バリン存在下と非存在下でNEを投与し、酸素消費量を測定したところ、バリン存在下の方がNE誘導酸素消費量が高かった。13C-バリンを用いたメタボローム解析を行ったところ、バリン代謝物はTCA回路に入り、グルコースの効率的な利用を支持することが示唆された。以上から、BCAAはベージュ脂肪細胞の熱産生活性、および効率的なグルコース消費に重要な役割を担っていることが明らかになった。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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