2014 Fiscal Year Annual Research Report
多孔体内における二重平均系の乱流熱輸送モデリングに関する研究
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14J10154
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
桑田 祐丞 大阪府立大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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Keywords | 乱流 / 多孔体 / 格子ボルツマン法 / 直接数値計算 / 二重平均系 / 乱流輸送 / 渦構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は多孔体を含む大規模な乱流場を解析するための実用的な高精度多孔体乱流モデルの開発である.多孔体の応用例は多岐にわたり,医療,環境工学のみならず,工業製品においては燃料電池内のガス拡散層,熱交換器,触媒装置などで見られる.したがって,多孔体内外の流動現象の高精度な工学的数値解析法を実現することで,これら製品の最適設計が容易になるだけでなく,高コストな実験を最小限に抑えた製品開発を行うことが出来るようになる.対象とされる流れ場は,流れ場の一部に微細な構造を含むような複雑かつ大規模な乱流場となる.そのため,工学的な数値解析にはレイノルズ平均と体積平均を2重に行った輸送方程式が適用される.本研究で対象とするのはこの2重平均輸送方程式を閉じるための数学モデルである. 平成26年度は,チャネルの下半分に多孔体を敷き詰めた多孔体チャネル流れの直接数値計算を行った.解析には格子ボルツマン法に新たに開発したマルチブロックを組み合わせた手法を用いた.また,計算が非常に大規模となることから,複数 Graphics Processing Unit (GPU)を用いる大規模演算が可能なプログラムコードを開発した. 得られた結果から,乱流モデリングにおいて非常に有益なデータとなりうるレイノルズ応力の輸送方程式の収支項の解析を行い,多孔体内部の乱流輸送メカニズムの解明を行った. さらに,瞬時の乱流データを基に多孔体界面近傍の乱流渦構造について調べた. その結果,これまで明らかでなかった多孔体界面上の渦構造の詳細を明らかにすることが出来た.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本年度は,大規模乱流解析を行うために手法開発・プログラムコードの実装を完了し,直接数値計算を実施することができた.さらに,得られたデータから渦構造・乱流輸送についてこれまで未知であった多くの部分について明らかにすることができた. 総じて,当初の計画以上に進展しているといえる.
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度には,レイノルズ応力方程式の各項について調べたが,次年度は二重平均を施した応力の輸送方程式の収支について調べる.また,渦構造の調査に関してもモード解析を含めた様々な解析を行いさらに理解を深めることを目指す. さらに得られたデータの汎用性を広げるために,異なる構造の多孔質を考えるなど計算条件を増やすことも念頭に入れて,研究を進める.
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Research Products
(15 results)