2016 Fiscal Year Annual Research Report
C・W・ミルズのプラグマティズム研究-自己論と「公衆教育」のつながりに着目して
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14J10309
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高田 正哉 東京大学, 教育学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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Keywords | 動機の語彙 / 歴史 / アイデンティティ / C・ライト・ミルズ / A・ストラウス / 社会学的想像力 / 公共圏 / 対話 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は期待以上の研究の進展があった。特に、日本デューイ学会編『日本デューイ学会紀要』第57号、第58号にて査読付き論文を掲載できたことが研究成果として著しい。また、多くのアウトリーチ活動をすることができた点も、著しい成果として示すことができる。 本年度は、C・ライト・ミルズの言語論について、「動機の語彙」(vocabularies of motive)の考察を通して明らかにしてきた。ミルズによると、個々人の動機は「動機の語彙」としてあらかじめ社会に用意されている枠組みである。この枠組みを通して、個々人は自分自身の行為を正当化する。この正当化は同時に、自分自身を歴史的な文脈に位置付けることであり、自分自身を歴史性で定義することである。このことをミルズの「動機の語彙」研究を中心に考察したアンセルム・ストラウスの『鏡と仮面』(Mirrors and Musks, 1959)での記述を参照して考察した。本研究の成果は日本デューイ学会第60回大会にて口頭発表し、日本デューイ学会編『日本デューイ学会紀要』第58号にて掲載が決定されている。また、前年度の成果としてノーマン・K・デンジンのミルズ『社会学的想像力』(The Sociological Imagination, 1959)の再評価に着目して、自分自身を説明する枠組みとしてメディアに用意された言葉による自己の定義のあり方を確認した。そこでは、メディア(小説・ニュース記事など)が用意した公共的争点によって、自分自身が抱える個人的トラブルを解釈し、公共的対話に参加することができるというヴィジョンを示した。この成果については、『日本デューイ学会紀要』第57号(pp.33-42)に掲載されている。それ以外でも、教育哲学会、日本自然保育学会にて口頭発表を行うなど多くの研究発表を行うことができた。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)