2015 Fiscal Year Annual Research Report
単一量子テレポーテーション素子を用いたスケーラブルなハイブリッド型多段階量子操作
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14J10522
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
不破 麻里亜 東京大学, 工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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Keywords | 量子情報 / 量子光学 / 量子テレポーテーション / 量子トリット / 量子エラーコレクション / 量子制御 / コヒーレント結合 / 高出力ファイバーアンプレーザー |
Outline of Annual Research Achievements |
ハイブリッド技術の実用化に向け、量子エラー訂正研究への第一歩を踏み出した。具体的には、光を用いた量子情報処理の最大の弱点である光子ロスを克服する第一歩として、2光子の重ね合わせ状態(時間2モード量子とリット)の生成と量子テレポーテーションを平成27年に行った。この成果を平成28年に博士論文としてまとめた。 平成28年100月からヘイセイ29年月まで、ドイツ、エアランゲンにある光科学のためのマックスプランク研究所(Max-Planck-Institut fuer die Physik des Lichts, MPL)を訪問した。ここでは、上記の研究テーマで用いた連続量量子情報技術を高出力光ファイバーレーザーという産業応用へとつなげる架け橋となる研究に携わる機会をいた。kWオーダーの出力を可能とする高出力光ファイバーレーザーは、そのレーゼ―カッターによるレーザー加工などの産業応用や、高出力レーザーを用いた物質の内部構造を探求する学術的な応用から注目を浴びている。このような高出力レーザーの需要が増す時代背景になる一方で、その出力パワーは頭打ちに差し掛かっている。その原因として、(i)ブリルアン産卵によるファイバー内部の反射、(ii)コヒーレント結合における位相ロックの不完全性とがある。いずれも量子力学的な効果である。このような量子光学的な問題は、連続量量子情報処理や重力波干渉計で用いたれている技術を適応することで解決できることが期待される。このような、高出力レーザーの量子力学的な効果に焦点を当てた研究は、世界で初めての試みである。この中で、申請者は、とりわけ(ii)の課題を担当した。平成28年11月末から実験準備を始め、同年の12月に光学系の立ち上げを完了した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
これまでは,光の離散的な量子状態に対して連続量量子情報処理の手法を適応することで,双方の弱点を克服する「ハイブリッド技術」には,高効率かつ高精度な量子操作を実現するポテンシャルがあることを示してきた。しかし,このハイブリッド手法において,実験系の不完全性によっておこるすべてのエラーは,光子へのロスに帰着されてしまう。そのため,光子が失われて情報が消去されてしまうことが,この技術を用いて大規模量子計算機である量子コンピュータを実現する際の障壁となっていた。 ゆえに,ハイブリッド手法を用いて量子コンピュータを実現するためには,光子ロスを量子エラー訂正する必要がある。そのためには,(i) 単一光子に情報をエンコードする自由度(モード数)を増やす,(ii) 光子数を増やすことで,情報を重複してエンコードする必要がある。本研究では,(i)と(ii)を組み合わせ,自由度と光子数を少しずつ増加させることで,実験的に実現可能な量子エラー訂正を行う。その第一歩として,まずは2光子の重ね合わせ状態(時間2モード量子トリット)の生成と量子テレポーテーションを行った。 平成26年4月より,2光子の重ね合わせ状態(時間2モード量子トリット)の量子テレポーテーションの実現方法の検討を始め,10月より実験システムの構築を始めた。平成26年12月には実験システムが一通り完成し,狙った2光子の重ね合わせ状態を生成できていることを確認した。その結果,連続量の手法を用いることで量子状態を完全把握することに生成し,離散量の手法のみを用いている場合より高精度に生成できたことが分かった。その後,平成27年間1年かけて量子トリットの量子テレポーテーションを7つの状態,3つの異なる条件で検証した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,再現性を確認したのちに,論文と国際学会にて発表したい。 さらに,開発したハイブリッド技術は,光はもちろんのこと,超伝導などのハードウェアにも積極的に取り入れられ始めている。今後は,様々なハードウェアの技術融合が相次いて研究されることが期待される。開発したハイブリッド技術と更なる新しい技術を融合する可能性を検討すべく,ドイツへ半年間渡航する予定である。
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Research Products
(2 results)