2014 Fiscal Year Annual Research Report
人と一対一で協調学習を行う教育支援ロボットと行動を調整する教員用システムの開発
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14J10532
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
ジメネス フェリックス 名古屋大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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Keywords | 協調学習 / 感情表出モデル / 共感 / 建設的相互作用 / ロボット |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,学習者と一対一で協調学習を行うことのできる教育支援ロボットの開発と,学習者がロボットから受ける印象を捉え,それに応じてロボットの行動モデルを調整できる教員用システムを開発することである.26年度は学習者と一対一で協調学習を行うことのできる教育支援ロボットの開発を実施した.取り組んだ問題点は,従来の協調学習における行動モデルは2体の画面上のエージェントを前提としていて,ロボット一体には適用できないこと,学びの場に活用できる感情表出モデルが存在しないことであった.感情表出モデルとは,ロボットが感情を持つかのように感情を表出するモデルのことである.前者に対しては,二人による協調学習の成立メカニズムである建設的相互作用と従来モデルを統合することでロボット一体でも協調学習環境を実現できる行動モデルを提案し,後者に対してはロボットが学習者の気持ちに共感しているような感情表出を行う感情表出モデルを提案した.被験者実験を実施したところ,行動モデルを実装したロボットと学習者が共に学習することで,人同士による協調学習と同様の学習効果を促す協調学習ができる可能性があること,感情表出モデルを実装したロボットは,学習者に共感していると感じさせ,学習効果を向上させるともにロボットに対する飽きを軽減できる可能性があることが示唆された.これらの成果により,査読付論文2件,国際会議論文3件および受賞3件の業績を上げた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の予定では,従来の協調学習における行動モデルと感情表出モデルを組み合わせることで,ロボットが人と一対一で協調学習が行える行動モデルを構築する予定であった.しかしながら,組み合わせるためにはそれぞれモデルにおける問題点を解決する必要があった.そこで,それぞれの問題点を解決して,ロボット一体で協調学習環境を実現できる行動モデル,ロボットが学習者の気持ちに共感しているような感情表出を行う感情表出モデルを提案した.行動モデルは多様なロボットに活用することができ,実用性の高い行動モデルである.また,ロボットが共感してくれていると学習者に感じさせるという視点は本研究の独創であり期待以上の成果である.そのため,査読付論文2件,国際会議論文3件および受賞3件の業績を上げることができた.特筆すべきは,感情表出モデルが高く評価された結果として3件の受賞に結びついたことである.
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Strategy for Future Research Activity |
27年度では,まず,1年目の予定であったロボットに行動モデルと感情表出モデルを組み合わせて協調学習を促す行動モデルを構築し,被験者実験を基に構築した行動モデルによる学習効果を検証する.次に,これまで得られた学習者の成績やロボットに対する印象データを基に学習者の分類を行う.そして,分類結果を踏まえて,学習者のグループごとの行動モデルを構築する.この調整機能をインターネット経由でロボットと通信する教員用システムに実装して,被験者実験を行うことで有効性を検証する予定である.
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Research Products
(10 results)