2014 Fiscal Year Annual Research Report
高度医療デバイスのデザイン設計とそれを利用するハイブリッド手術室の環境設計
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14J10884
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
國本 築永 東京大学, 工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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Keywords | 手術室 / 病院建築 / 手術器械 / 災害医療 / 医療デザイン |
Outline of Annual Research Achievements |
第1年度(以下、今年度)は主に、医療現場の調査を通して手術室における医療機器と医療従事者の関係性、また現状の問題点の洗い出しを行った。ここではこれまで研究されることがなかった、手術室空間設計とそこで行われる医療、そして医療従事者の関係に着目し、現代医療に対して最適でないと考えられる空間設計を説明し、さらに手術室がプレファブ化した1977年の手術と現代の手術のあり方について検討した。 また調査に基づき、医療現場の数多く存在する対象物の中から本研究における研究対象を決定した。調査を進める中で、災害という緊急時に特化した手術環境のデザインが全く考えられていないこと、さらにはシステムとして確立されていないことが分かった。地震大国と呼ばれるわが国にとってこの局面での手術環境を考えることは特に重要であると考え、当初計画していた平常時の大病院における手術環境から、災害時などの緊急時における手術環境へ焦点を変更する。 1.緊急ER/手術室ユニット 本研究では、世界で起こる緊急事態・大規模災害発生に備え、世界各国への出動を可能とする緊急救命救急シェルターシステムの実用化を図る。今年度はユニットのコンセプト設計を完了させ、現時点では詳細設計、構造解析を進めている。 2.手術器械 本研究では手術器械の最も代表的なものから順に取り上げ、その形状を検討する。今年度はスカルペルの形状検討を進めた。スチレンボードによる断面考察、スタイロフォームを利用して1/1 模型の削りだしを行った後、インダストリアルクレイを用いて形状検討を行った。現時点では光硬化性樹脂を使用した模型での形状検討・評価実験を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
博士後期課程における研究を,博士前期課程までの研究機関から本研究機関へ移動し, 新たな研究拠点で医学研究者から研究協力を得るのに想定以上の時間がかかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
1.緊急ER/手術室ユニット 今後は詳細設計を進めた後、1/1でのモックアップ制作を行い、2015年11月11-13日開催予定の竹中技術研究所公開においてポスター発表を予定している。11月以降モックアップを用いた実機検証を進める。これと同時に仮設手術台の提案を進める。 2.手術器械 今後ブレード取付部の検討そして新デザイン提案を進め、災害現場での使用を目的としたスカルペルに展開していきたいと考える。また順次、鉗子など使用頻度の高い手術器械の形状検討を進める予定である。
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