2015 Fiscal Year Annual Research Report
精密測定を生かした非摂動的計算手法の改良と新物理探索
Project/Area Number |
14J10887
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
三嶋 剛 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(DC2)
|
Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
|
Keywords | QCD / 重いクォーク |
Outline of Annual Research Achievements |
私は今年度、清裕一郎氏(順天堂大学)と隅野行成氏(東北大学)と共同で重いクォーコニ ウムに関する研究を2つ完成させ、論文に掲載された。 ひとつめの論文はトッポニウム(トップクォーク・反トップクォーク対)の1S共鳴エネル ギー準位に関する研究である。現在建設計画中のILC (International Linear Collider) などで は電子・陽電子対消滅によってトッポニウム状態を生成することができると考えられており、 このような実験からトップクォーク質量の精密な値を得ることが本研究の目的である。本研究ではMS-bar質量 を用いることにより、トッポニウム1S共鳴から決定されるトップクォーク質量の不確かさが 30MeV程度となることを明らかにした。この論文はJournal of High Energy Physicsに掲載された。 ふたつめの論文では、チャーモニウムであるJ/ψ粒子とηc(1S)粒子からチャームクォーク の質量を決定し、ボトモニウムであるΥ(1S)粒子とηb(1S)粒子からボトムクォークの質量を 決定した。現在までの精度ではトッポニウム やチャーモニウムの場合は、量子補正に現れるクォークの質量は全てゼロだとして扱っても問 題ない。しかしながらボトモニウムの場合はボトムクォークと、その次に軽いクォークである チャームクォークの質量比は約1/3であり、チャームクォーク質量をゼロとして扱った計算と実際の値を用いて計算した結果は数十MeV程度ずれる。本研究ではそれらを取り入れた解析を行った。ボトムクォークやチャームクォークのMS-bar質量はParticle Data Groupによっ て解析されており、本研究ではParticle Data Groupの値と合致し、不確かさがより小さな値 を得た。この論文はPhysics Letters Bに掲載された。
|
Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(3 results)