2014 Fiscal Year Annual Research Report
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14J10996
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
和田 葉子 奈良女子大学, 人間文化研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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Keywords | 群集生態学 / 間接効果 / 長期的な時間変動 / 岩礁潮間帯 / トロフィックカスケード |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、捕食性巻貝イボニシ (Thais clavigera)・藻食者キクノハナガイ (Siphonaria sirius)・藻類アオサ (Ulva sp.)、藍藻 (Lithoderma sp.) という系を用い、イボニシがキクノハナガイを介して藻類相に与える間接効果の大きさを実験的に長期間評価すること、そして、間接効果の変動やその季節性について調べることである。このために、平成26年度は、昨年度から行っていた野外実験を引き続き行うとともに、昨年度不十分であった、捕食者が被食者の繁殖特性へ与える影響を明らかにするための実験を行った。具体的には、野外実験を約9か月継続させ、実験終了後、結果の解析を行った。捕食者は、しばしば被食者の密度変化を介して資源に影響を与える (密度媒介型の間接効果) が、被食者の行動や性質などの形質を変えることによっても資源に影響を与えることが知られており (形質媒介型)、本実験の結果、捕食者が被食者に与える直接効果は、捕食者や藻食者の活動が活発な夏には、密度媒介型・形質媒介型いずれの間接効果によっても藻類相が藍藻から緑藻に変化すること、密度媒介型よりも形質媒介型間接効果の方が1カ月近く長続きすることが分かった。また、いずれの間接効果も秋には弱まり、春になると実験処理に関わらず同じような海藻の群集構造となった。つまり、捕食者の影響による藻類相の変化は長続きせず、一年のうちに元の構成に戻ること(間接効果のキャンセル)、およびその機構には生態系構成種の季節性が関与していることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
間接効果を長期的に評価することで、本研究の目的であった、間接効果の大きさの変動やそこに生態系構成種の季節性がどのように関わっているかについて明らかにすることができた。また、再実験を行うことで、被食者の繁殖特性への影響についても少しずつ明らかにできている。しかし、この再実験では、捕食者の存在が被食者の繁殖に影響を与えている可能性が示唆されただけであり、さらなる実験が必要である。以上のことから、②おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、長期的な間接効果を評価した研究については解析を重ね、論文発表を行う。被食者の繁殖特性に関しては再度実験を行い、結果をよりクリアに示すことを目指す。
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Research Products
(2 results)