2014 Fiscal Year Annual Research Report
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14J11287
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
許 瀅瀅 東京工業大学, 総合理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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Keywords | 国際情報交換 / 情報統計力学 / ベイズ推論 |
Outline of Annual Research Achievements |
私の研究課題は1ビット圧縮センシングへの統計力学的アプローチである。平成26年度までの研究で我々は1ビット圧縮センシングにおいての潜在性能を解析し、アルゴリズムも開発した。しかしながら、復元法の潜在性能は必ずしも最良ではなく、よりパフォーマンスのよい復元法とそれを低計算コストで実践できるアルゴリズムを開発することを研究目標にした。研究計画の中の課題3をメインに研究を進んだ。以下は課題3の内容である。 課題3 確率推論による復元アルゴリズムの開発 復元法の潜在性能に満足していないため、圧縮センシングを確率推論の枠組みで捉えなおし、高い性能を示す信号復元アルゴリズムを開発する。有力な方法として観測結果 から原信号 を復元する問題をベイズの公式 に基づいて表現し、スパース信号を生成する事前分布を仮定して定式化する。 この課題で提案された1ビット圧縮センシングのベイズ推論による復元法の潜在性能を解析し、確率的復元アルゴリズムを開発した。性能解析と開発アルゴリズムによる数値実験の結果が一致することを示した。 この研究結果が論文“Bayesian signal reconstruction for 1-bit compressed sensing”として国際雑誌Journal of Statistical Mechanics: Theory and Experimentにて2014年11月に発表された。この研究は、指導教員の樺島祥介とフランスの研究者Lenka Zdeborovaとの共同研究である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画では課題を三つ考えたが、一年の間、そのうちの一つを完成した。思った以上に難しかったが、とてもよい勉強になった。フランスの研究者との交流によって、新しいテクニックを身についた。さらに多様な問題に対応できるように成長してきた。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画の残りの二つの課題をやってもいいけれど、研究の打ち合わせから新しい方向性が見えてきた。今までの1ビット圧縮センシングのモデルでは、振幅情報が獲得できず、規格化条件で補正しているが、今度は新しいモデルで、観測データを量子化する閾値をゼロから変えることによって、信号の振幅情報も得られるようになる。この新しいモデルの最適な閾値の決め方と潜在性能について調べる。
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Research Products
(2 results)