2015 Fiscal Year Annual Research Report
パラメトリック効果を用いた非接触型流速分布計測法に関する研究
Project/Area Number |
14J11897
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
塚田 圭祐 東京工業大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
|
Keywords | 空中超音波 / 非接触計測 / 溶融塩 / 周波数分散性 |
Outline of Annual Research Achievements |
高温流体などの過酷環境下において、空中超音波を応用することで非接触に流れを計測する技術開発を実施した。過酷環境として次世代型原子炉での使用が考えられている溶融塩に着目した。溶融塩は非常に高温かつ腐食性が大きいために従来の接触式超音波流量計による計測は困難とされていた。そこで、本研究で開発した空中超音波による非接触流量計を適用することで、溶融塩の流動を計測することを目的とした。空中超音波流量計は流体に接触せず流量計測が可能であり、溶融塩の高温環境、高腐食性から超音波センサを保護することが可能である。溶融塩計測を行うために溶融塩の物性値計測を行い、音響特性を明らかにするとともに溶融塩計測に最適な超音波周波数および超音波センサ形状を考案し、溶融塩の流動計測を可能とすることを目的とした。溶融塩は、融点が400℃と高温となることに加えて、高い腐食性を持ち、金属材料を侵すことが知られている。そこで溶融塩の流動計測のために実験装置を製作するにあたり、まず溶融塩の特性を調査した。実験では、実験装置に使用する材料を選定するために溶融塩中での材料の腐食試験を行い、実験装置の構造材を選定した。超音波による流動計測に必要となる溶融塩の音速を400℃から750℃の間で計測し、溶融塩の音速が温度に依存することを確認し、溶融塩の音速計測を行った。溶融塩の流動を計測するために、予備実験で得られた知見を基に実験装置の設計および製作を行った。製作した実験装置において、溶融塩にヘリウムガスを吹き込み、溶融塩中のバブルの挙動を超音波により計測した。計測には前年度、開発した超音波フォーカスセンサと配管中を伝搬するガイド波に起因する信号を除去する計測プログラムを使用した。また、同時計測を行うために点電極プローブの設計、開発を行い、計測を実施した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
空中超音波による非接触流量計測技術を蒸気流計測へ適用するために,金属配管中を伝搬するガイド波に起因する信号を除去するアルゴリズムを開発するとともに蒸気流量計測を実施している.開発した計測技術を実際の高温環境場へ適用を試みており順調に進展している.
|
Strategy for Future Research Activity |
開発した計測システムを応用し,クランプオン方式による蒸気流量計測を行った.蒸気計測では受信信号の信号品質が低下するため,超音波タフト法による配管内の蒸気流量計測を実施した.計測では前年度開発したフォーカスセンサを使用し,1つの送信用センサと3つの受信用センサを使用することで,流れの影響による配管内部の音場移動量を計測することで配管内の蒸気流量計測を行った.計測結果から実際の高温場においては超音波センサの感度が変化することで計測誤差が発生しており,補正する手法を考案する予定である.
|
Research Products
(5 results)