2015 Fiscal Year Annual Research Report
食事組成と糖尿病発症の関連についての研究-妊婦と成人における調査研究とメタ解析-
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14J11939
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
田島 諒子 お茶の水女子大学, 人間文化創成科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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Keywords | 栄養疫学 / インスリン抵抗性 / 非アルコール性脂肪性肝疾患 / NAFLD / 炭水化物摂取量 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、前年度に人間ドック受診者を対象に実施した食事調査の結果をもとに、データ解析と投稿論文の執筆を行った。日本人の中年男女(40-69歳)において、①炭水化物、②米飯・パン・麺類、③ソフトドリンクの摂取量が非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)の分布に関連するかを横断研究により評価した。
NAFLDはインスリン抵抗性を基盤として肝臓に過剰に脂肪が蓄積された病態であり、2型糖尿病に高率に合併する。NAFLDは、肝硬変や原発性肝細胞癌に進行する可能性が知られている。またNAFLDのある者は、ない者に比べて冠動脈疾患のリスクが高いことが報告されている。したがって、生活習慣の改善によるNAFLDの予防は重要であるが、アジア人においてどのような食事因子がNAFLDの分布に関わるかは十分に明らかになっていない。
本研究から、女性において、炭水化物摂取量および米飯摂取量が、NAFLDと正の関連にあることが示唆された。一方、男女ともにパン・麺類・ソフトドリンク摂取量とNAFLDの間には有意な関連は見られなかった。海外ではフルクトースの供給源としてのソフトドリンクが、NAFLDのリスク因子として注目を集めてきた。しかし、ソフトドリンクの日常的な摂取は、日本の中年層では一般的ではない。本研究から、炭水化物の摂取総量とその主要な供給源である米飯の摂取量が、日本人女性のNAFLD予防において、ソフトドリンクよりも重要なターゲットである可能性が示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度に収集したデータベースをもとに、解析を行い、エビデンスの少ないNAFLDと食事因子の関連について、新たな知見を得ることができた。本年度の解析結果についての投稿論文の執筆も概ね完成している。
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Strategy for Future Research Activity |
NAFLDと食事因子の関係について、さらに評価を行う。先行研究から、2型糖尿病やインスリン抵抗性と関連があることが示唆されてきた食事因子を中心にNAFLDとの分布の関連を評価したい。また次年度は本研究課題の最終年度であるので、研究の総括を行う。
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Research Products
(2 results)