2014 Fiscal Year Annual Research Report
赤血球・血漿分離法を応用した動圧浮上遠心血液ポンプの研究開発
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14J12429
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| Research Institution | Tokyo University of Science |
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Principal Investigator |
村重 智崇 東京理科大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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| Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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| Keywords | 動圧軸受 / 遠心血液ポンプ / ヘマトクリット / プラズマスキミング / 軸受隙間 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本課題では，赤血球・血漿分離法を応用した動圧浮上遠心血液ポンプの研究開発を行っている．本年度は，スパイラルグルーブ動圧軸受を応用した動圧浮上遠心血液ポンプの軸受隙間流れのミクロ観察を実施した．
1. 高速カメラを用いた血液ポンプの動圧軸受隙間流れのミクロ観察：動圧軸受内を流れる赤血球の挙動を評価するために，高速カメラと拡大顕微鏡を用いた観察実験系を構築した．本実験では，模擬循環回路にポンプを接続し，ウシ血を循環させた．ポンプ下面側には，拡大顕微鏡を接続した高速カメラを設置し，軸受隙間内の赤血球流れを観察した．また，ミクロ観察と同一条件下において，レーザ変位計を用いてインペラ浮上位置を計測し，軸受隙間を評価した．ミクロ観察と軸受隙間計測の結果より，軸受隙間の減少に伴い，スパイラルグルーブ動圧軸受の山側の赤血球数が減少することが分かった．
2. プラズマスキミングの定量評価：ミクロ観察の撮影画像より，スパイラルグルーブ動圧軸受の山側のヘマトクリットを算出する解析プログラムを開発した．本ソフトウェアは，撮影画像をもとに軸受山側のヘマトクリットを求めることができ，プラズマスキミングを定量評価することができる．本解析ソフトウェアを用いて，画像処理を用いてプラズマスキミングの定量評価を行った．本結果より，軸受隙間の減少に伴い，軸受山側のヘマトクリットが作動流体のヘマトクリットよりも減少した．スパイラルグルーブ動圧軸受を応用した動圧浮上遠心血液ポンプにおいて，軸受山側のヘマトクリットが減少し，プラズマスキミングが起こりうることを明らかにした．
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は，スパイラルグルーブ動圧軸受内の赤血球挙動の評価を目的に，研究計画に従って，動圧浮上遠心血液ポンプの軸受隙間を流れる赤血球挙動のミクロ観察行い，評価した．その結果，軸受隙間の減少に伴い，スパイラルグルーブ動圧軸受山側の赤血球数が減少することが分かった．さらに，撮影した画像から，軸受山側のヘマトクリットを算出する解析ソフトウェアを開発することができた．本解析結果より，軸受隙間の減少に伴って，軸受山側のヘマトクリットが作動流体のヘマトクリットよりも減少し，血液ポンプの動圧軸受においてプラズマスキミングが起こりうることを実証することができた．
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| Strategy for Future Research Activity |
次年度以降は，スパイラルグルーブ動圧軸受におけるプラズマスキミングの現象解明に着目し，血液ポンプの軸受部をモデル化した基礎実験系を製作して，評価実験を実施する予定である．本実験系は，任意に軸受隙間と円筒回転数を変更可能とし，軸受隙間および回転数と，プラズマスキミングの関係性を評価する．また，マイクロ流路チップを応用し，スパイラルグルーブ動圧軸受の溝幅と軸受隙間の比，および動圧軸受の溝深さと軸受隙間の比が，プラズマスキミングに与える影響について，それぞれ評価実験を行う予定である．さらに，実機ポンプの評価として，動物血を用いた溶血試験を行う予定である．
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