2016 Fiscal Year Annual Research Report
赤血球・血漿分離法を応用した動圧浮上遠心血液ポンプの研究開発
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14J12429
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
村重 智崇 東京理科大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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Keywords | 遠心血液ポンプ / 軸受隙間 / スパイラルグルーブ動圧軸受 / ポンプ流量 / 溶血 |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題では,赤血球・血漿分離法を応用した動圧浮上遠心血液ポンプの研究開発を行った. 本年度は,スパイラルグルーブ動圧軸受におけるプラズマスキミング現象に影響を与えるパラメータの評価およびプラズマスキミング現象と血液ポンプの溶血特性との関係評価を行った. 1.軸受隙間内のプラズマスキミング現象がどのような条件下で生じるかを明らかにするため,これまで評価してきた軸受隙間に加え,観察位置およびポンプ流量による影響を評価した.まず,観察位置を軸受半径方向に対して内側,中央,外側と変えて観察を行った.その結果,軸受隙間が40 μm以下の時に観察位置によってスキミング効率が異なることが分かった.本結果をインペラ周速度で整理した結果,同一隙間においては,インペラ周速度が高いほどスキミング効率は向上した.次に,ポンプ流量を回路上の流路抵抗によって変化させてプラズマスキミング現象の評価を行った.その結果,本実験条件下でのポンプ流量が軸受隙間内のプラズマスキミング現象に与える影響は小さいことが分かった. 2.高剪断応力が生じやすい軸受隙間でプラズマスキミング現象を生じさせることで,血液ポンプの溶血量が減少するかを評価するため,ヘマトクリットを1.0%に希釈したウシ血液を用いたin vitro溶血試験を行った.その結果,スキミング効率の向上に伴って溶血量は増加する結果となった.溶血量は剪断応力と暴露時間に相関することが報告されている.この実験式の内,暴露時間に関しては各回転数とも非常に短いために無視できるものと仮定し,剪断応力のみに依存する溶血予測比を算出した.この溶血予測比と実溶血比を比較した結果,プラズマスキミング現象が生じている条件では,実溶血比は溶血予測比よりも低い値となった.よって,軸受隙間におけるプラズマスキミング現象は血液ポンプの溶血量を低減する可能性が示唆された.
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)