2014 Fiscal Year Annual Research Report
神経上皮細胞層の変形に必要な平面内極性分子の機能解析
Project/Area Number |
14J40044
|
Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
西村 珠子 独立行政法人理化学研究所, 多細胞システム形成研究センター, 特別研究員(RPD)
|
Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
|
Keywords | 細胞間接着 / アクチン |
Outline of Annual Research Achievements |
脊椎動物の発生で神経管が形成される際に、神経上皮細胞層の細胞間接着(AJ)において平面内極性(PCP)分子Celsr1を背腹軸方向に極性分布させるための上流シグナル系の探索、および下流シグナル系による神経上皮細胞層AJのF-アクチン骨格の制御機構の解析を行うことで、神経管形成におけるPCPシグナル伝達系の全体像について明らかにすることを目指して研究を行っている。 まず、Celsr1の上流シグナル系については、Celsr1と相互作用して直接作用する上流分子を、神経管形成期のマウス胚の破砕物から探索中である。また、神経管にWnt分子を過剰発現することで、Celsr1の極性分布が乱されることも分かった。 一方、下流シグナル系については、Celsr1の下流分子のひとつDAAM1を神経管でノックダウンすると、神経管形成が阻害されると同時に、神経管頂端部におけるアクチン骨格および細胞間接着分子N-カドヘリンの分布が減少することを見出した。DAAM1は培養上皮細胞において細胞間接着の側面に分布しており、DAAM1をノックダウンすると、細胞間接着の側面におけるアクチン分布が減少するとともに、E-カドヘリンの細胞間接着側面における分布が基底面方向に拡散した。従ってDAAM1は、形成中の神経管において、平面内極性シグナルを伝達することに加え、細胞間接着におけるアクチン骨格を制御し、カドヘリン接着を安定化する作用を有することが示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書に記載した実施計画をほぼ予定通り行い、おおむね期待通りの成果を得ることができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成26年度の研究成果に基づき、その発展を図る。例えば、神経上皮細胞層でCelsr1の上流において、直接または間接的にCelsr1の極性分布を制御する分子の探索を継続し、その分子が明らかになれば、そのシグナル伝達経路を明らかにする。
|
Research Products
(2 results)