2015 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子転写領域のクロマチン構造とエピジェネティック制御の解明
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14J40145
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Research Institution | National Institute for Basic Biology |
Principal Investigator |
鈴木 美穂 基礎生物学研究所, 形態形成研究部門, 特別研究員(RPD)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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Keywords | DNAメチル化 / 転写伸長 / ヌクレオソーム / MNase-seq / カタユウレイボヤ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、ハウスキーピング遺伝子の転写伸長領域に存在するDNAメチル化が、転写にどのような役割を果たしているかを解明することである。本年度は、遺伝子転写領域のDNAメチル化の有無によって、ヌクレオソームの構成や安定性に違いがあることを明らかにすることができた。 1、MNase-seq によるヌクレオソームの全ゲノム解析 ゲノム上のヌクレオソームの位置や安定性と、DNAメチル化にどのような関連があるかを明らかにするために、カタユウレイボヤの胚から核を精製し、MNase-seqを行った。その結果、(1)カタユウレイボヤのメチル化とヌクレオソームはエクソンに局在する (2)メチル化はヌクレオソーム内部により高いレベルで存在する ことが明らかになった。DNAメチル化がエクソンに配置されているヌクレオソームの位置決定や安定性を調節している可能性が示唆された。 2,DNAメチル化とヌクレオソームの配置・安定性 DNAメチル化がヌクレオソームの配置や安定性にどのように関与しているか解析を行った。ヌクレオソームのDNA配列に含まれるメチル化シトシン数に注目して解析したところ、(3)メチル化は、ヌクレオソームの局在レベルを高める (4)メチル化はヌクレオソームの安定性を高めることが明らかになった。DNAメチル化とヌクレオソームの配置や安定性については最近さまざまな結果が報告されており見解は一致していない。本研究では、これまで報告されてきた研究とは異なる材料と方法を用いて、重要な知見が得ることができた
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
MNase-seqの解析により、DNAメチル化がヌクレオソームの配置や安定性を高めるという重要な結果を得ることができた。しかしその解析に予定より時間がかかり、当初計画していたヒストン修飾パターンやメチル化DNA結合タンパク質の解析は、本年度大きく進めることができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
計画通り、ヒストン修飾パターンやメチル化DNA結合タンパク質の解析を進める。 また、DNAメチル化の生物学的な意義について、mRNAの転写スピードや細胞質への輸送スピードなどの解析を行う。
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Research Products
(1 results)