2014 Fiscal Year Annual Research Report
細胞移入による誘導型腸炎における非典型T細胞の機能解析
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14J40182
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Research Institution | Research Institute, International Medical Center of Japan |
Principal Investigator |
小田 浩代 独立行政法人国立国際医療研究センター, 研究所免疫病理研究部, 特別研究員(RPD)
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Keywords | 非典型T細胞 / 誘導型腸炎 / エフェクターT細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、難治性腸疾患の病態解明をめざし、細胞移入による誘導型腸炎における非典型T細胞の機能に重要な遺伝子を明らかにし、役割を解明することを目的とするものである。 26年度は、課題【1】の、誘導型腸炎における新規T細胞特異的遺伝子の機能解析を行った。 非典型T細胞におけるThemisの機能解析については、Treg特異的Themisコンディショナルノックアウ(coKO)トマウスの作成および腸炎発症のモニタリングを行った。その結果、約半年間のモニターにおいて、Themis coKOマウスが腸炎を発症することはなく、来年度も引き続き発症のモニタリングを行う。 新規T細胞特異的遺伝子の非典型T細胞における機能解明については、野生型非典型T細胞だけでなく、胸腺特異的遺伝子ISC1およびISC13ノックアウト非典型T細胞も腸管上皮内に生着する事が確認できた。また、野生型非典型T細胞に関しては、エフェクターCD4T細胞との共移植において、誘導型腸炎を抑制することを確認した。 しかしながら、申請書の予想される問題点の項に記したとおり、発現解析するに十分な数の活性化状態の非典型T細胞を、エフェクターT細胞との共移植後の個体から精製することが困難であった。移植個体からの細胞精製の条件を検討すると同時に、invitroにおいて非典型T細胞とエフェクターT細胞を共培養し、エフェクターT細胞の増殖を抑制するアッセイ系を検討した。 その結果、非典型T細胞は、制御性T細胞の増殖抑制効果よりは劣るものの、エフェクターの4倍程度を培養系に添加することで、エフェクターT細胞の増殖を抑制するという予備的な実験結果を得た。 上記の成果をもとに、今後は胸腺特異的遺伝子ノックアウト非典型T細胞が誘導型腸炎を抑制できるか否か、また、in vitroにおけるエフェクターT細胞の増殖抑制アッセイから、活性化状態の非典型T細胞を精製して発現解析ができるか否か、検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度は、新規T細胞特異的遺伝子の機能解析が進みThemis coKOマウスにおいて腸炎を発症しないことが明らかになった。また、ISC1ノックアウト非典型T細胞はTCR依存性の活性化が阻害されることが明らかになった。また、in vitroにおける非典型T細胞のアッセイ系の確立が進んだ。
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Strategy for Future Research Activity |
Themi scoKO制御性T細胞については、in vivoおよびin vitroにおけるエフェクターT細胞抑制活性の検討を引き続き行う。 新規T細胞特異的遺伝子の非典型T細胞における機能解明については、ISC1、ISC13の他の胸腺特異的遺伝子(ISC4、ISC22)ノックアウト非典型T細胞についても、免疫不全マウスの腸管上皮内への生着および、誘導型腸炎の阻害効果について検討を進める。また、本年度に確立したin vitroにおける非典型T細胞・エフェクターT細胞の共培養系についても同様に、胸腺特異的遺伝子ノックアウト非典型T細胞を用いた解析を行う。 上記いずれかの方法で十分な数の活性化非典型T細胞を得た後、各種遺伝子発現解析を行う。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] The thymic cortical epithelium determines the TCR repertoire of IL-17-producing γδT cells.
Author(s)
Nitta T, Muro R, Shimizu Y, Nitta S, Oda H, Ohte Y, T Goto M, Yanobu R, Narita T, Takayanagi H, Yasuda H, Okamura T, Murata S, Suzuki H.
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Journal Title
Description
in press
Peer Reviewed
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