2016 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14J40205
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
福島 恵 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 特別研究員(RPD) (10523764)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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Keywords | 東西交渉 / 北朝隋唐 / ソグド人 / 墓誌 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、ソグド人がシルクロード交易現れて以降、その交易をほぼ独占し、さらには武人として中華王朝に仕えて多大な影響を有した状況から、10世紀以降に諸民族の間に消えていくというソグド人の活動の盛衰の諸相を墓誌史料を用いて明らかにする。最終年度の実績は以下のとおりである。 (1)墓誌の研究基盤情報の整理による墓誌史料の性格の解明:当初の計画の通り、ソグド人墓誌を収集し、墓誌の情報のデータベース化・テキスト化を継続した。また、2016年3月までに収集した北朝~北宋時代のソグド姓墓誌の典拠(所在)とそれらの墓誌内容の分析結果を後掲拙著『東部ユーラシアのソグド人』に掲載し発表した。 (2)ソグド人の活動動向とそれが与えた影響:本年度は以下2つのテーマを進展させた。「①唐代の羅姓の墓誌について」ソグド人の交易活動に深く関係していたバクトリア人に注目。現在、羅姓のバクトリア人の墓誌は全部で4件存在し、これらの墓主はいずれも婚姻関係・居住地にソグド人との共通点があることが判明した。「②唐後半期における賜姓ソグド人について」ソグド人を見つけ出す重要な鍵となるソグド姓を賜姓によって喪失したソグド人について、以前(2007・2009年)に口頭報告した内容をまとめ直し、既に脱稿済みである。 本研究の最大の成果として、単著『東部ユーラシアのソグド人―ソグド人漢文墓誌の研究―』を汲古書院より出版した。本書は、現時点までに報告されているソグド人の墓誌史料を網羅的に用いることで、東部ユーラシア地域におけるソグド人について考察したものである。近年の中国における墓誌の発掘・報告の状況からすれば、おそらく今後もソグド人の墓誌は増加し、本書のデータは刻一刻と古くなるはずであるが、本書で発表した見地は、ソグド人墓誌の基礎的研究として有用であり続けるはずである。本書の出版によって、本研究の最終目標を達成したことになる。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)